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koshka0467

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2006/02/07
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カテゴリ: 観劇記
今日は、昨年中に観たんだけれども


『ジゼル』 というバレエがあります。
19世紀前半、ロマンチック・バレエの代表作です。
でも私、どうもこの作品とは相性が悪いよう。
ジゼルはなよなよしていて、
どうしても好きになれないのです。

物語の軸は貴賎恋愛。公爵アルブレヒトは
身分を隠して村娘ジゼルと恋に落ちるけれども、

ショック死するのが第一幕。
深く悔やんだアルブレヒトが森のジゼルの墓に出向き、
若死にした娘たちの精霊にとりつかれて
殺されそうになるのを、いまや精霊に仲間入りした
ジゼルに庇われ、救われるというのが第二幕。

しかしそもそも「体の弱い美少女」という設定が、
ベタだなぁ…と思います。
真実を知ったジゼルが発狂しながら踊るあたりも、
狂女の哀れさと強烈さで観客の心を揺さぶろうとする
作劇上のあざとさを感じます。
そして、どうして彼を助けるのさ、ジゼル!

アルブレヒトが悔悛してるのはわかるけど、
でも、けっきょくのところ、
男に都合のよいヒロインって感じ…

ロマン主義期の理想的ヒロイン像って、
こういうものなんでしょうか?

ボリショイで観ても、マリインスキーで観ても、
なんかこう、ストレスたまります。
しかし、ここに一つのステレオタイプがあるから、
後代に様々な個性的ヒロインが
生み出されていくことになったのかもしれません。

『ドンキホーテ』 のキトリもその一人。
このとびきり陽気で美人のスペインっ娘は、
踊りだしたらみんなの注目の的になるような、
そして親父を張っ倒して彼氏と駆け落ちしちゃうような
ちゃきちゃきのヒロインです。
ついに親父につかまり、小脇に抱えあげられて
足をじたばたさせるあたりはものすごくキュート。
これを踊っているのが、
『愛の伝説』 では威厳たっぷりの女王様だった
イルマ・ニオラーゼだったと知ったときにはもうビックリ。
ダンサーってほんと、演技力もいるんだなぁ。
キトリの彼氏バジルは狂言自殺して、
仰天した親父さんが「二人の仲を許してやればよかった…」
と言った瞬間に「やった~!」と生き返るのですが、
これまた実にキュートなキャラです。
私がマリインスキーで観た日は、ロブーヒンという
なんだか石原伸晃元国土交通大臣に似たダンサーがこの役で、
すっかり惚れ込んでしまったのですが、
そうすると私、石原伸晃さんが好みのタイプなの???
ともあれ元気の出るよいバレエです。

踊りの専門的なことはわかりませんけれども、
ストーリーという点からも
バレエって楽しめるものですね。
 (もっとも、以前『愛の伝説』を批判したのは、
  バレエ通に言わせると「ありえない」らしいのですが…
  ところでその通の友人は、このバレエ作品を
  「ドンキ」と呼ぶのですが、
  バレエにおいてもこの略称は通用しているのでしょうか?
  彼に「ドンキに行きましょう」と誘われた日本人の子は、
  「まぁ、ロシアにもそんな便利な店があるのね」
  と思ったとの由。私も思うだろうなぁ^_^;)





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Last updated  2006/02/11 08:13:23 AM
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