今を大切に笑って生きる事。

子宮頚ガンの病期

　　　　　　　　　子宮頚ガンに対しては、手術療法と化学療法併用放射線療法とが主に行われ
　　　　　　　　　化学療法を単独で行うことは、補助的な治療法と考えられています。

　　　　　　　　　治療法の選択は、進行期・組織型・および年齢・合併症の有無を考慮し、
　　　　　　　　　総合的に判断して行われます。

　　　　　　　　　手術療法は病巣の完全切除を目的として、子宮頚部円錐切除術・腹式あるいは膣式単純子宮全摘出術・
　　　　　　　　　拡大単純子宮全摘出術・準広汎子宮全摘出術・広汎子宮全摘出術・超広汎子宮全摘出術・
　　　　　　　　　骨盤除臓術などが行われます。

　　　　　　　　　進行期分類は、これらの治療法の決定や予後の推定に際し、最も基本となるものです。
　　　　　　　　　ここでは、子宮頚ガンの病期とそれぞれの一般的な治療法・生存率についてまとめていきたいと思います。

子宮頚ガンの臨床進行期分類

0期

上皮内ガン。上皮内に限局するガン。

1期

ガンが子宮頚部に限局するもの。浸潤の程度で1a・1b期に分類する。

　1a期

組織学的にのみ診断出来る浸潤ガンで、肉眼的に明らかな病巣は、例え表層浸潤であっても1b期とする。
浸潤は計測による間質浸潤の深さが5mm以内で、縦軸方向の広がりが7mmを超えないものとする。
浸潤の深さは、浸潤が見られる表層上皮の基底膜より計測して5mmを超えないもので、
脈管（静脈またはリンパ管）浸襲があっても進行期は変更しない。
（※腺ガンに関しては、1a1期・1a2期の分類はなし。）

　　1a1期

間質浸潤の深さが3mm以内で、広がりが7mmを超えないもの。

　　1a2期

間質浸潤の深さが3mmを超えるが5mm以内で、広がりが7mmを超えないもの。

　1b期

臨床的に明らかな病巣が子宮頚部に限局するもの、または臨床的に明らかではないが1a期を越えるもの。

　1b1期

病巣が4mm以内のもの。

　　1b2期

病巣が4mmを超えるもの。

2期

ガンが頚部を超えて広がっているが、骨盤壁または膣壁下1/3に達していないもの。

　2a期

膣壁浸潤が認められるが、子宮傍組織浸潤は認められないもの。

　2b期

子宮傍組織浸潤の認められるもの。

3期

ガンが骨盤壁にまで達するもの。または膣壁浸潤が下1/3に達するもの。

　3a期

膣壁浸潤は下1/3に達するが、子宮傍組織浸潤は骨盤壁にまで達していないもの。

　3b期

子宮傍組織浸潤が骨盤壁にまで達しているもの。
または、明らかな水腎症や無機能腎を認めるもの。

4期

ガンが小骨盤腔を超えて広がるが、膀胱・直腸の粘膜を侵すもの。

　4a期

膀胱・直腸の粘膜への浸潤があるもの。（近接臓器へ病変が進展）

　4b期

小骨盤腔を超えて広がるもの。（遠隔臓器へ転移）

■予後について■

　　　　　　　　　子宮頚ガン治療後、５年生存率は０期でほぼ１００％、１期で８５％、１～４期６５，８％です。

　　　　　　　　　組織型では、腺ガンは扁平上皮ガンに比べて予後不良であり、放射線治療も効きにくくなります。

　　　　　　　　　予後不良因子としては、上記のような組織型もさることながら、やはりガンの広がりとの関係は大きいです。
　　　　　　　　　リンパ節転移のあるものとないものでは、５年生存率にも差が出てきます。

　　　　　　　　　ココでまとめた５年生存率は、それぞれ病院によって治療例も違うので生存率ももちろん変わってきますが
　　　　　　　　　総合的にまとめているものなので、あくまでもご参考までに。

　　　　　　　　　ちなみに、倉敷成人病センターにおける５年生存率の正確な数字での統計は不明ですが
　　　　　　　　　私の告知された２００５年当時、１期で８７，１％だと言われました。

　　　　　　　　　倉敷成人病センターでの統計は、グラフで表示されていますのでそちらもご覧下さい。

　　　　　　　　　＊倉敷成人病センター> 専門トピックス> 婦人科：腹腔鏡センター> 悪性疾患／子宮癌（子宮頸癌・子宮体癌）

5年生存率

0期

1期

2期

3期

4期

ほぼ100%

85～95%

65～70％

40～45％

10～20％

■治療について■

　　　　　　　　　治療としては、手術と放射線療法が基本となります。

　　　　　　　　　手術は２ｂ期以内のものに対して行われます。