11/20(火)
すすきのでは働けない??
昔は遊びすぎて相当女を泣かしたけれど、今じゃ落ち着いて静かに飲むように
なりました。って感じの方の雰囲気お分かりですか?
そんな感じのお客様と本日は話込む。
こんな商売を何年もしていると、少し話せば、彼がどれくらいの遊び人だった
のかなんてすぐに見抜いてしまう。
彼はバブルがはじける寸前まで、「すすきの」でブイブイ言わせていた口のよう。
「女にモテるこつを俺は知ってるんだよ。」
「まあ。こちらにおいでの他のお客様のためにもお話いただきたいわ。」
とちらっと常連さんに目配せをする。
「まず第一に、金払いがいいこと。第二にしつこくしないこと。第三に口説かない こと。」
ぷぷぷ。常連さんは渋い顔をしている。耳が痛いわよね。第一の段階からひっか
かっているんだから。
「女口説かないでどうやってモテるんですか??」と常連さん。
「女っていうのは、冷たくされると気になるものなんだよ。特にクラブのお姉
ちゃんなんてのは、チヤホヤされることに慣れちまってるんだから、だまって
高い金を払ってすっと帰っているとな、向こうから誘ってくるもんなんだ。」
なるほど。
「そこまで金が続きませんよ。」と常連さん。
「だからさ、焦る乞食はもらいが少ないっていうんだよ。女を口説くにはまず、
相手の懐に入らなけりゃいけない。相手に騙されてやるのができる男ってもの
なのよ。」
ふむふむ。
「で、実際いい女としっぽりできたんですか?」
「ふふふ。野暮なこと言うんじゃないよ。お前は青いなあ。」
彼はそこまで話すとお手洗いへ。
常連さんは酔いが廻ったのかお勘定。口説けそうでうまく口説けないそんなかわ
いい常連さんが私は大好きだけど、今夜の遊び人の話には1つの哲学があるので
私は話を聞いていてとっても楽しい。
私は、話し上手なお客さんの哲学を聞くのが大好きだ。今まで考えられなかった
局面からものを見ることを学ぶことができるからなのだと思う。
話は昨今の「すすきの事情」に。
彼が言うには、最近の「すすきの」のお姉さんは生き残り競争が激しく、嘗ての
ような、きれいなだけのお馬鹿さんはいなくなったと言う。
「皆んな、自分をしっかり持っていて、きちんと話ができる若い子が多いよ。
まともに話ができるっていうのは本当にいいことだね。君ももう少し若ければ
「すすきの」も悪くないと思うよ。」
「そうですか?じゃあ若くないけど「すすきの」デビューしちゃおうかな?」
「いや、それはまずいよ。だって…」
君、化粧してないでしょ…
「え?……」
すいません。私お化粧してるんですけど。もしかして、ビールの飲みすぎで
上昇した体温の為に汗をかいて、お化粧がはげて額が光っているとか言って
ません??
うーん。あゆメイクに切り替えなければ??