『アニーよ銃をとれ』Annie Get Your Gun

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Dec 20, 2005

舞台は開拓時代が終わりつつある1880年頃のアメリカ西部。バッファロー・ビル（ルイス・カルハーン）主宰のウエスタンショー「ワイルド・ウエスト」がシンシナティで公演した時、ひょんなことから一座の花形スター、フランク・バトラー（ハワード・キール）と射撃を競うことになった野生の娘・アニー（ベティ・ハットン）。アニーはフランクを打ち負かしてしまうのだが、同時にフランクの虜になってしまう。一座に加入したアニーは見違えるようになり、フランクも彼女に惹かれ始める。アニーの人気は日増しに高まり、インディアンの大酋長シッティング・ブル（大富豪なのだ）にいたく気に入られ養女になる。一方人気の落ちたフランクは一座を去りライバルの一座に転じてしまう。
「ワイルド・ウエスト」は勢いをかってヨーロッパ公演を行ない名声を得たが、アニーの心は晴れなかった。有名にはなったものの、興行収入的には失敗した一行は、やはり破産寸前のライバル一座と合併することになり、アニーとフランクは再会する。しかし意地の張り合いをやめようとはしないのだが・・・

Annie01

アニー、大変身。（左：一座加入前、右：一座加入後）
アニー役のベティ・ハットンの代表作。当初ジュディ・ガーランドが演じる予定だったが、体調不良により途中降板した（２シーンしか撮っていなかったそう）。持っているサントラＣＤには10曲以上のジュディの歌が収録されていて、ベティと比べるとかなり違う。ジュディが最後まで演じていたらどんな感じになっていたのだろう。
当時新進のハワード・キールは、既に押しの強いところを見せている。本作の成功により、この後『ショーボート』『キス・ミー・ケイト』『掠奪された七人の花嫁』と出演作が続いていく。他には、おなじみのキーナン・ウィンが一座のマネージャー役で出演。後半アニーを優しく見守るシッティング・ブル役のＪ・キャロル・ナイシュがいい。この映画はインディアンを馬鹿にしている、とか男性上位で不快だとか（ラスト近くでアニーがわざとフランクに負ける場面を指す）、言われることもありましたが、決してそうは思わない。アニーがわざと負けたのだって、フランクが子供じみてる（意地っ張り）からアニーが大人の判断をしただけのこと。

Annie04

左：張り合う二人。右：シッティング・ブル。
とにかくテンポがよく、明るいので楽しめる。ミュージックナンバーでは、やはり４人（ハットン、キール、ウィン、ルイス・カルハーン）で歌う「There's No Business Like Show Business(ショーほど素敵な商売はない)」が最高。「ワイルド・ウエスト」のショーの場面もなかなか金がかかっている。テクニカラーなので色彩も綺麗だ。

※モデルとなるアニー・オークリー（1860～1928）、バッファロー・ビル（1846～1917）、シッティング・ブル (1831～1890）らは実在の人物。「ワイルド・ウエスト・ショー」は本物のインディアンを含む大勢のエキストラによる大掛かりなショーで人気を博し、世界各国を巡回した。

1950年・アメリカ　　107分　　評価：4.0点　　子供：○

アニーよ銃をとれ　特別版

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