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柿崎和泉守@ Re:『天と地と』 Heaven and Earth(04/25) 映画で残念に思ったのは、まず刀八毘沙門…
背番号のないエース0829 @ Re:『ベルリン 映画「風の電話」に、上記の内容について…
Feb 24, 2006
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カテゴリ: Movie
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舞台は1904年、列強進出下のモロッコ。ドイツは古都フェズのサルタンに、ロシアは港湾都市タンジールの太守にそれぞれ肩入れしていた。そんな中、タンジールの自宅でアメリカ人女性(未亡人)のペデカリス夫人(キャンディス・バーゲン)と子供2人が馬賊にさらわれる(ここのところ原語がPiratesなので字幕もDVDの解説も「海賊」となっているが、決して海賊ではない)。馬賊の首領はリフ族首長のライズリ(ショーン・コネリー)。モロッコの現状を憂慮しているライズリは、母子解放の条件として、列強のいいなりになっているタンジール太守の首を要求した。
一方、アメリカ本土。時の大統領セオドア・ルーズベルト(ブライアン・キース)は自国民救出のための行動に移る。駐モロッコ総領事(ジェフリー・ルイス)らによる対サルタン交渉が不調に終ると、海軍大尉ジェローム(スティーヴ・カナリー)が軍事行動を開始、タンジール太守を拘束した。アメリカの圧力下に置かれた太守は、リフ族領地からの諸外国撤退と身代金の支払いを条件にライズリを招く。罠と知りつつも取引に出向くライズリだったが・・・

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左:ライズリ(ショーン・コネリー)/右:ペデカリス夫人(キャンディス・バーゲン)
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左:セオドア・ルーズベルト大統領(ブライアン・キース)

こう書くと、ライズリ側だけの話のようだが、実際には、モロッコの場面とアメリカ側の場面はほぼ半々である。タイトルの「ライオン」はライズリだが、「風」はルーズベルトで、主人公はこの二人なのだ。ペデカリス夫人は狂言回しの役ということになろうか。したがってモロッコの状況(ライズリと太守は兄弟でサルタンは甥、という複雑な状況)よりもアメリカの状況が分かって面白い。諸外国に比べて海外進出が遅れたアメリカがモロッコに橋頭堡を築こうと、誘拐事件を利用する点、また大統領選挙を控えた国内の人気取り、等。当時の友好国、日本の武官がホワイトハウスに常駐しているのも興味深い。大統領専用狩猟場のシーンで、ルーズベルトは自らが仕留めた灰色熊になぞらえて、アメリカ人気質をこう語っている
「強く、知性があり、獰猛。時には衝動的で無鉄砲だが、文句なしに勇敢。そして最も顕著な特質は"孤独"だ。」
これは現在でも変わっていないものだと感心する。

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米海兵隊が太守宮殿を急襲。アクションシーンはミリアス監督の見せ場。
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『ワイルドバンチ』 ソックリだ。

役者では、ショーン・コネリー、キャンディス・バーゲンはモチロン上手いが、ブライアン・キースが非常に良い。ジェフリー・ルイス、スティーヴ・カナリーはミリアスの前作 『デリンジャー』 に続いての登用。二人とも前作よりかなり痩せて見える。国務長官ジョン・ヘイ役のジョン・ヒューストンもピッタリ。そして忘れてはいけないのが、本作最大の敵役・ドイツ軍士官役のアントワン・ドミンゴ。 『夕陽のギャングたち』 のグンテレザ大佐役が印象深く、本作ではクライマックスでライズリと対決する。

『デリンジャー』 に続き近代アメリカを取り上げたが、骨太で素晴らしい作品に仕上がった。その割には知名度に恵まれないが、やはり舞台が特殊だったからか?最後の戦闘前のシーンなんかとってもいいのだが。歴史劇好きな方にも是非観て頂きたいものである。
シンプルだがインパクトのあるジェリー・ゴールドスミスの音楽も最高だ。

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アントワン・ドミンゴ。相変わらず怖い。
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左:ジョン・ヘイ国務長官(ジョン・ヒューストン)/右:最後の余韻が素晴らしい。

監督:ジョン・ミリアス
製作:ハーブ・ジャッフェ
脚本:ジョン・ミリアス
撮影:ビリー・ウィリアムズ
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
編集:ボブ・ウォルフ


1975年・アメリカ / 119 分 / 評価:4.0点 / 子供:○

風とライオン(期間限定1)
風とライオン(期間限定1)





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Last updated  Feb 25, 2006 09:31:52 AM
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