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背番号のないエース0829 @ Re:『ベルリン 映画「風の電話」に、上記の内容について…
May 9, 2008
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カテゴリ: Movie

『ジーザス・クライスト・スーバースター』 と並ぶロック・ミュージカルの傑作。原作は2人の俳優の手によるもので、小劇場で好評を博し、1968年にブロードウェイに進出。そして1979年に映画化されたのが本作である。



1960年代、ベトナム戦争中のアメリカ。クロード(ジョン・サベージ)は徴兵に応じオクラホマから二ューコークヘやって来る。入隊まで2日間余裕があるので名所めぐりでもしようとセントラルパークに来たが、目に入ったのは奇抜なヒッピーたち。最初は怪訝に眺めていたものの、ヒッピーの一人ジョージ・バーガー(トリート・ウィリアムス)と何故か気が合い、彼らと行動を共にする。金持ちの令嬢シーラ(ビバリー・ダンジェロ)への一目惚れやパーティの馬鹿騒ぎ、セントラル・パークでの集会などで翌日はあっと言う間に過ぎ、クロードは徴兵事務所に出頭する。数ヵ月後、ネヴァダ州の訓練施設にいるクロードからの手紙を読んだジョージたちは、クロードのシーラヘの思いをかなえるためシーラと共にネヴァダに向かうのだが・・・


公開当時にサントラ盤を買ったが、映画自体は観なかった。何しろ中学生のガキだったし、内容にも興味が湧かなかったからである。初めて観たのはほんの数年前。ロックミュージカルならではのパワーは感じられるもののドラッグやフリーセッ○○といったヒッピー文化には抵抗があるので、感情移入することはなかった。


しかし、ずっとサントラ盤を聴いていたせいもあるが、音楽は実に素晴らしい。詞はともかく曲がいい(詞は一部事情もあって現行DVDでは翻訳が割愛されている箇所がある)。オクラホマから夜行バスでニューヨ-クに向かうクロード。車窓の風景が森林・畑から住宅地に変わり、摩天楼が現れる。バックに流れるのは名曲「アクエリアス(水瓶座)」。この場面でもうやられてしまう。他にも「エレクトリック・ブルース」や「グッド・モーニング・スター・シャイン」「ホエア・ドゥ・アイ・ゴー」など素晴らしいナンパーか多い。バレエのミハイル・バリシニコフの影響を受けているトウィラ・ザープによるダンスも見事ではあるが、どちらかというと歌主体のミュージカルと言えるだろう。

『フィッシャー・キング』 のセントラル駅のシーンの元と言われる。

また、観直して見ると単に「反戦・自由至上主義」の作品ではないことが判る。ベトナム戦争は1968年の舞台化時にはリアルタイムの題材であったが、映画化はそれから10年後。その間、1975年に戦争は終結し、人々の関心も薄れはじめた。同世代の若者の中でも帰還兵(戦った者)とヒッピー(戦わなかった者)の対立が見られ、後者は急速に数を減らすこととなる。徴兵制も1973年には廃止された(登録制度は現在でも残っている)。つまり10年を経たことで、ヒッピームーブメントと1960年代を冷静に振り返ろうとしたのではないか。


そんな意図が感じられるのかヒッピーの一人、ジェニーの存在である。ジェニーはジョージら仲間の思想に賛同し、子供を宿すが父親は仲間の誰であってもいいと考えている。というか深く考えることができず、仲間と一緒にいたいだけで、今の状況がずっと続くと思っているようだ。しかしそんなジェニーもジョージがシーラと仲良くしているのをみて、ふと考える。そしてクロードに徴兵回避ができるからと結婚を迫るのだ。この辺りからのジェニーは哀れだ。仲間のハッド(ドーシー・ライト)の婚約者と子供が現れるシーンもそう。仲間達はいずれ普通の生活に戻る。実際に当時のヒッピーたちもブームが去ると元に戻った。しかしジェニーは子供を背負っていかなけれぱならないのだ(一応ラストで別の仲間が父親になっている様子なので、少し安心する)。


ラスト近くのどんでん返しが有名だが、私はこの辺りのシークエンスの方が印象に残る。監督がフォアマンだから、個人的な過去の体験の反映とか、前作『カッコーの巣の上で』との関連もあるのだろうけど。オリジナルの舞台から少々趣きが変わってしまっているかもしれないが、ブロードウェイで商業ベースに乗った時点で既に変わっていたのかもしれない。


映画が製作中だった1976~77年頃といえば、フィリピンでコッポラが 『地獄の黙示録』 を撮っていた時期。主旨は全く違うが、ベトナムへ飛び立ったジョージがその後あの地獄を体験したのだとするとピッタリ繋がる感じがする。レンタルDVDあり。今、主人公と同じ年代(10代後半から20代)の人が見たら何と思うのだろうか。遠い別世界の話で訳がわからないか。重いし、受けは悪いだろうなあ。



製作:レスター・パースキー/マイケル・バトラー
原作:ジェローム・ラグニ/ジェームズ・ラドー
脚本:マイケル・ウェラー
撮影:ミロスラフ・オンドリチェク
音楽:ガルト・マクダーモット

1979年・アメリカ / 120分 / 評価:4.0点 / 子供:×






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Last updated  May 9, 2008 10:23:11 PM
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