1990/8/17 逝ってしまった父へ



ゆき






雪 気がつけばいつしか

なぜ こんな夜に降るの

いま あの人の命が

永い別れ 私に告げました



あの人が旅立つ前に

私が投げつけたわがままは

いつかつぐなうはずでした

抱いたまま 消えてしまうなんて



雪 気がつけばいつしか

なぜ こんな夜に降るの

いまあの人の命が

永い別れ 私に告げました



手をさしのべればいつも

そこにいてくれた人が

手をさしのべても消える

まるで 淡すぎる 雪のようです



あの人が教えるとおり

歩いてくはずだった私は

雪で足跡が見えない

立ちすくむ あなたを呼びながら



手をさしのべればいつも

そこにいてくれた人が

手をさしのべても消える

まるで 淡すぎる 雪のようです



あの人が教えるとおり

歩いてくはずだった私は

雪で足跡が見えない

立ちすくむ あなたを呼びながら



雪 気がつけばいつしか

なぜ こんな夜に降るの

いま あの人の命が

永い別れ 私に告げました




歌詞 中島 みゆき



*追記*

父が亡くなったのはタイトルどおりとてもとても暑い夏でした。
よく母や伯母と交代で介護に行ったものでした。
しかし、父が胆のう癌のそれも末期であると判明したのが
その前年の秋から冬にかけての事でした。

それまで医者になかなかかかるほどの病気をしたことの無い人でしたから
家族みな、信じられない思いで一杯でした。

なかでも私は兄弟のなかで末っ子でたった一人の女の子でしたから、
目に入れても痛くないほどの可愛がり様だったとみなに言われます。

しかし私は中学校くらいからずっと反抗していて「触るな!」とか
「うっとうしい」などの罵詈雑言を浴びせたり物投げたりと
ずいぶんなことをしていました。
今、人の子の親になってそれがどんなに哀しいことか胸が痛んで
出来ることなら父に会いたい。会って謝りたい。と思います。

この中島みゆきの「雪」と言う曲は父の最初の入院の時車の中で
一人で今までのことを後悔しながら泣きながら毎日唄っていた歌です。
本当は恋人に宛てた唄なのかもしれませんが、この時の私の心には
この曲ばかりが浮かんで来て唄わずにはいられない。
告知していないばかりに父の前では普通に振舞い面と向かって
「ゴメンナサイ。悪い娘でした」と謝る代わりに
介護の行き帰りの車の中で病室の父に聞こえるように
号泣にも近い大きな声で唄い続けた歌でした。
そして頑張り続けた父も8/17というお盆過ぎに力尽き、
まるで浄土に帰っていく仏様に連れられていくように逝ってしまいました。

そうしてそれ以来、春夏秋冬を問わずいつも頭の中を
ふとした瞬間によぎっていくようになりました。
そうして常に忘れられない曲となったのです。



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