つれづれなるままに・・・

つれづれなるままに・・・

くるりらさん


公園を通りかかるとものすごい音がした。

だだ~ん。ごろごろごろ。

何事かと思って見てみるとそこには一人のまんまるいおじいさんが
転んでいた。

わーたいへんだたいへんだ。

いきなり起き上がったおじいさんは慌てふためいて
まるでビデオの巻戻しのように、今転んだであろう軌跡と正確に反対回転に転がったのだ。

一瞬目を疑った私はおじいさんに声をかける

おじいさん・・・大丈夫ですか?

はっ?じいさんとはわしのことか?
わしはじいさんではない。くるりらだ。
そうだなぁ~お前が呼ぶのならくるりらさんと呼べ。

くるりらさんはそういって今転がり戻ったベンチに腰をかけた。

そして、話してくれた話をそのまま書くと軽く2時間以上かかってしまいそなので要約するとこんな感じだ。

わしの名はくるりら。その名がしめすようにくるくる回るのが仕事なのだ。
しかし、わしが回ると回っただけ自然界にひずみが起こる。
そのひずみはほうっておくと災害になって現れるのだ。世界の災害はわしが起こしているといっても過言ではないな。
だが、わしが無意識に回ってしまった場合それと正反対に回転すればひずみは生じない。
お前がさっき見たのはそれじゃ。
もっともわしもこんな体質を知ったのはほんの200年前の話なんじゃがのぉ~
っほっほほ。
まぁわしも若いころはいろいろ悪さをしたもんじゃが今になってはただのじいさまだよ。
いやいや。まぁそれはどうでもよいことなんじゃが、どうもその昔のひずみが今頃になってでてきてるようでなぁ。。
わしにできる事といえばまわることだけなんじゃが、今は日夜ひずみの起こりそうな部分に先回りしてはひずみを解消しようとおもって転がっているんじゃが、実際転がってみるとそこがひずみポイントでなかったりしてなぁ。。。
あ、わしが転がればひずみがあるかないかはわかるのじゃがの。
まぁそういうわけで転がっては戻り転がっては戻りをくりかえしているわけなんじゃが。

そうくるりらさんは言うのだ。
一息つくとくるりらさんはまた転びはじめた。

私が帰ろうとすると、くるりらさんはこういった。

わしが若いころからひずみを退治しておればのぉ~
しかし、わしがうんだだけじゃないひずみも増えておってのぉ~
こうもなるとどうしようもないんじゃ。こまったことじゃのぉ~
ここでこうしてあったのもなにかの縁。おまえさんにもひずみを解消できるかもしれん。どうだ一緒に回ってはみないか?

私はしばらく考えた後、くるりらさんを残し家路についたのだった。

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