風の息子


スカパーの衛星劇場で「風の息子」の1~2回を観た。
それまで爽やか系の青春スターのイメージだったビョンホンssiが、そのイメージから演技派の俳優に脱皮する為に挑戦したドラマである。
結果は大成功で、その年のKBS演技大賞と百想芸術大賞TV部門男子演技賞を獲得した。
放送開始当初は、ワイルド過ぎるとの批判もあったらしいが、回を重ねるに従って、演技力を賞賛されたらしい。
この「風の息子」と同じ1995年の作品には、ドラマ「アスファルトの男」、映画「誰が俺を狂わせるか」「ラン・アウェー」などがあるが、全てまるで違うイメージの役である。
特に異彩を放ってるのがこの「風の息子」のホンピョ。
後年の「美しい彼女」のジュンホや「オールイン」のイナに繋がる色合いがある。
彼の短髪系の引き出しの演技や役作りの基本になったのが、この「風の息子」じゃないかと思う。
悲しみや辛さに、身もだえする程嘆き悲しむ演技は、短髪系はこの引き出しですね。
イナがロスで嘆き悲しみ、酒びたりになる演技は、白夜のギョンビンが結婚式の日に教会の前で婚約者を殺された後に、酒びたりになり虚脱状態の日々を送る演技とイコール。

話は「風の息子」に戻るが、ホンピョはビョンホンssiの演じたキャラの中で、一番単純にダーティかも。
悪役風味と言う点ではミンチョルだろうけど、ミンチョルは単純に悪役には括れない複雑な精神構造だから(笑)

ホンピョは人相風体、行動、思考回路が、単純に町のゴロツキ。
ただこのホンピョも愛に飢えてて、たった一人の血縁の兄と一緒にいたくてたまらない。
その兄に素直に甘えるシーンや、男兄弟の取っ組み合いの愛情表現など、観ててゴロツキホンピョの子供っぽいかわいい一面も。
喫茶店のお姉ちゃんのスカートを捲くったり悪ぶってるけど、本当は女性には慣れてない。

だけどホンピョは悪さもする。

「風の息子」の前に放送していた「アスファルトの男」のドンジュンと同じ俳優が演じているのかと不思議に思う程、とことん下品で最低な奴なのがホンピョで、ビョンホンssiはホンピョに成り切っている。
このドラマのメイキングやその時のインタビューなどがあれば、絶対に観てみたい。
どこかで観れないかしら?
辺りに漂う空気や歩いている後姿からして、ホンピョ。
ここまで成り切れるって、デビューして5年、弱冠25歳の10年前で、既にここまで役に成り切れ、演じ切れるんだから、ビョンホンssiは天性の才があると言う事だろうな。
そして一般視聴者が抱く自分のイメージを壊す勇気があると言う事。

この勇気って、俳優としてとても重要な事だと思う。

ビョンホンssiは自分のイメージを壊す挑戦を何度もしている。
この「風の息子」のホンピョ、「ハッピー・トゥギャザー」のテプン、「美しき日々」のミンチョル、映画の「我が心のオルガン」のスハ、「JSA」のスヒョク、「Cut」のジホ、「甘い人生」のソヌ。

その度に成功させ、大きく成長している。

彼は本当に次を期待させる俳優である。
次に何が飛び出して来るか想像できない。

そんな事を考えさせた「風の息子」のホンピョ。
3回目からの続きも期待している。

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