ルビーのきりん

ルビーのきりん

ドッペルゲンガー?王子と乞食?



 中学1、2年生頃のことです。
 私は当時電車で二駅ほどはなれたところに、ピアノのレッスンに通っていました。
 ある日、レッスンが終わって駅へ向かう途中で、いきなり知らないおばさんに呼び止められたのです。
「○△ちゃんでしょ?元気?久しぶりねえ。お母さんはお元気?」
 全然知らない名前でした。私が「あの、私、違いますけど…」と言うと、おばさんは何やら険しい(?!)表情をしてまじまじと私を見つめました。
「えっ?嘘でしょ…。○△ちゃんじゃない?…だって、そんな…。」
 絶対に信じていない様子でした。私が嘘ついて他人のふりをしていると思っているようでした。
 なんとなく気まずくそのおばさんと別れて、次の日。
「ねえ、昨日××のそば歩いてたでしょ?私達何度も呼んだのに、なんで返事してくれなかったの?」
 と、仲良しの子達に聞かれました(××は通学路にあるスーパーのことです)。
「えっ?昨日は行ってないよ、別のところに行ってたから」
 時間を聞いても、明らかに私がピアノ教室に行っていた時のこと。
「そんなはずないよ、絶対●●(私の名)だったよ。こっち振り向いたじゃん」
 なんだか、ちょっとぞっとしてしまいました。
 どうやら私にそっくりな人間が、もう一人実在するらしい。しかも、割と近くに(ちなみにピアノ教室のある町は、私が生まれた町でした)。
 一応両親に私に双子の生き別れのきょうだいがいないか聞いてみましたが、もちろん一笑に付されました。
 いったい、どんな人なんだろう。親は?住んでいる家は?どんな友達がいて、部活や習い事は何をやっているんだろう。どんな性格なんだろう。会ってみたい。でもちょっと、怖い…。
 自分にそっくりな人を見たらじきに死んでしまうって話を聞いたことがあったから。それに、なんだか気持ち悪そう。
 結局会わずじまいで(おかげでこの歳までのほほんと生きているのかな?)すが、時々ふと思い出します。
 私にそっくりな誰かさん、今はどこでどんな人生を歩んでいるんだろう。

 全然関係ないけど、うちのダンナは双子です。ダンナの双子の弟の子供も双子。そういえば私の長男もいっとう最初は双子だったっけ…。

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