サクラ


“世界の終わり”を覚えている?
貴方の居た世界は残酷過ぎるほど幸せで
失うときなど知らず_

貴方はいつも強かで凛としていて
美しく 可憐で
笑うとまるで満開に咲く桜の花の様で
僕は散り逝くときも知らず_

独りきりの川辺で
流した涙を誰にも悟られぬよう
貴方がいつもそうして居たことに
今更気付いたよ

貴方を守れなかった僕を赦して
貴方の弱さに気付けなかった僕を赦して
笑顔の裏の涙に気付けなかった僕を
どうか赦して

貴方が僕に必要としていたことなど何一つ無いのかもしれない
いつも独りで泣いて
決して涙は見せようとはしなかった貴方

何時も独りで生きているかのように振舞っていた貴方
本当は独りで立っていることすら儘成らなかったのに
貴方の傷跡にすら気付けなかった僕を赦して

もうじき桜は散って
貴方が愛した季節は去っていくけれど
もう二度と貴方を離さないよう
もう一度貴方に逢いに逝くよ

桜の花ように儚い命を終えた貴方
もう一度逢えたら
貴方を独りで泣かせたりなどしないから

貴方の居ない世界
“世界の終わり”

「高尚」「純粋」「精神美」
サクラ

もうじき貴方に逢いに逝く

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