RUNRUNRUN♪

RUNRUNRUN♪

H7年4月


・・・おしるし、陣痛と順調に来て、子宮口2センチの時点で滞りなく入院。しかし、滞りなかったのはここまでで、その後、なかなか子宮口が開いていかない。オマケにお腹に陣痛が来ず、両方の大腿部という、看護婦さんに言わせれば
「そんなところにくるなんて、聞いたことない。」
ところに陣痛がきていた。だから、お腹につけたモニターには全然陣痛の波が記録されず、こっちがどれだけ痛みに耐えているかも信用してもらえなかった。

 朝に入院したのが昼過ぎて、晩になっても痛いだけで分娩室へ、とはならない。
 夜も更けて旦那も付き添っていたが、大腿部の痛みは旦那にはどうにもできない。
 夜中に9cmまで開いて、陣痛も間隔が短くなり、反対に継続時間は長くなり、看護婦さんが来るたびに「分娩室へ連れていってくれないかなあ。」と思ったのだが、まだ子どもが降りきっていないようで、「またくるから」と出ていってしまう。

 そうこうしているうちに、となりの陣痛室にいた経産婦さんは、突然「いたーーーい!」と叫んだその10分後にポンと出産されて、ああ、うらやましいなあ・・・。私は何本目かの痛み止めのせいでボーーっとした頭で思った。

 24時間後の朝になっても生まれなかった。医師がやってきて調べると、子宮口が5cmまで閉じてしまって、せっかく降りてきていた子どもも上に戻ってしまっているという。
「えーーーーーっ!そんなあ!」
と悲痛な声を上げる私に医師は、
「そんなあ、って言われても・・・・。次の波で一気に最後まで行っちゃう人もいるから・・・。ゆっくり昼寝しといてね。」
とオロオロしながら言った。
旦那は会社に行っちまうし、私はいつ終わるかわかんない出産劇の最中にあるし、・・・ほんとうに産めるんだろうか?と思っていたときに再び医師がやってきた。

「胎児の心音が下がってきてるし、もう一回開くまで体力がもたないと思うから。」
私は待ってました!とばかりに、
「できることなら先生にお願いして、切ってもらおうかと思っていたんです!」
と一気に喋った。それなら話が早いと、
「じゃ、ご主人に戻ってきてもらって。」

 え?すぐには切ってもらえないんすか?
・・・・・・手術の同意書が必要だったんです。
幸い当時旦那は、融通の効く仕事についていたため、さっき出かけたばかりだったが、とんぼ返りで病院に戻ってきた。

 サインをして、外来の診察が終わって、お昼ご飯(私は手術前のためナシ。)がすんでという時になって、手術室へ案内された。

 手術台にあがった時に1回だけ陣痛が来て、「ふーーーーっ!」と深呼吸をした。
横向きに寝かされて、えびのように体をまるめて、腰椎麻酔が打たれることになった。
 ところが痛がりの私。陣痛よりはよっぽど痛くないはずの注射なのに、背骨のところに刺されると思うとひるんでしまって、針の先が当たるたびに「わっ!」「ぎゃっ!」と腰を引いてしまった。
「声をあげてもいいから、引かないで。」
と注意され、3回目になってやっとうまくいった、という具合だった。

「では、よろしくお願いします。」「はい。」
という医師と看護婦さんのやりとりがあって、手術が始まったことはわかった。
でも、お腹のほうで「パチン、パチン」という音がしているだけで、何をされているのかは
分からなかった。
 すぐにあれはなんだろうな、ボーーっと気持ちよくなる痛み止めが打たれてはっきりと覚えているのはそこまで。

 看護婦さんが顔を拭ってくれている。
赤ちゃんの泣き声がする。
・・・・・・この二つは夢の中での出来事に感じていた。

 すぐに回復室に連れていかれたように夢うつつでは感じていたが、実際はそうでもなっかたようである。
「だいぶ待った」と旦那が言ってた。

 生まれたのは3262gの男の子。
医師は「やっぱり頭が大きい赤ちゃんだった。」と言ってた。
(予めレントゲンはとりませんでした。あとの妊娠でも一回もとりませんでした。)

 口数の少ない医師であるので、その他諸々の情報は看護婦さんからきいた。

「卵膜がボロボロだったんだよー。」
「羊水もすっごい色しとったし。」
「初期からずっと薬使ってたからねえ。」(切迫流産でずっと張り止めを飲んでいました。)

「へその緒がすっごく短くって、どんなに長く見積もっても30センチもなかったもん。
(通常は50~70センチ)これじゃ、降りてこれんわぁ。超音波で予め分かってたらよかったねえ。」
そして、

「あと一日、様子をみてしまっていたら、ダメだったって。先生から、聞いた?」

 聞いてなかったけど、そんなに緊急の状態だったんだぁ。
・・・・・・これが長男ターの緊急帝王切開です。




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