放浪の達人ブログ

インドの列車は凄すぎる!

俺がまだ会社員の頃、タイ、インド、ネパールと2週間かけて廻ったことがあった。

2週間も休みがあるわけない。会社には5、6日で帰ると言っておいて、

「いや~、帰りの飛行機が延期で…。インドですから」とごまかしたのだ。


インドのカルカッタから中央部の街までは夜行列車で行った。

12時間かけてインド大陸を横断するのに運賃はたったの300円程。

あと100円くらい出せば寝台車両に入れたのに、

インドにいるとその100円もベラボーに贅沢な気がしたのである。

そいつをケチったばかりに一般車両に乗った俺は、すげえ世界を体験することになった。

そこでは2人用シートに4人が座り、足元にも2~3人寝転び足の置き場もない。通路にも人が寝ている。

しかも電車の中だというのに火を炊いて料理を作るバカ者家族もいる。

煙が充満しようが自分達さえメシが食えればいいのであろう。

あくまでも個人主義に徹する自己中心野郎だ。

インド人の7割がB型、3割がO型、A型が殆どいないと聞くとまぁ納得がいく。

日本で女子高生が電車内でケータイを使う迷惑なんぞ次元の違う程可愛いもんだ。


超満員の阿鼻叫喚の中を物売りが歩く。

歩く場所はシートの肘かけの上だ。

頭上の網棚? もちろん人で一杯だ。俺はその網棚兼シートに座ることになった。

おそらく屋根の上も人で一杯だろう。

窮屈で辛さのあまり、意識が薄れるがごとくうつらうつらし始めると、大抵ケンカが近くで始まる。

その声で赤ん坊が頭に火がついたように泣き出して、眠れたもんじゃない。


時々アナウンスもなしに電車がとまる。それが駅だ。

鉄格子の窓の向こうから物売りのすさまじい攻撃だ。牛も負けてはいない。

鼻先を鉄格子の隙間から突っ込んできて食べ物をかっさらっていく。速い!


そんな中で12時間経過した。シートは木で出来ているのでお尻はしびれ、完全に平らになってしまっている。

あの列車に12時間乗るくらいなら、俺は12時間正座を続ける方を選ぶね。


ま、俺には目的地なんてなかった。

列車の窓から見えた夜明けの月が奇麗だったので次の駅で降りてみた。

そこが翌日、インドの警◯に追われ、ホームレス数百人に混じって野宿することになった小さな街、パトナーだった。(終)


次回の俺の番では「インドで野宿」を予定してるよ。







© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: