放浪の達人ブログ

エキゾチックな帰国便

俺はよく香港経由でタイに行く。
香港で乗り換えるだけで直行便より安く、その日の夕方にはバンコクに着くからだ。
いつも行きは何のトラブルもない。問題は帰国便だ。

バンコク→香港までいつもの航空会社の飛行機が故障で飛ばない事があった。
代わりに乗って下さい、と言われたのがガルフエアー。何じゃそりゃ?聞いた事ねえぞ。
機体がアラビア語で書かれてたので、そ~か、中東あたりの航空会社か、とナットクした。

機内へ入ってビックリ。スチュワーデスはアラビアンナイトの映画に出てくるような格好なのだ。
服はパステルカラー、化粧は異様に濃くマスカラびしばし。
お~、まるでハーレムぢゃね~か!と思った(行った事ねえが)。
そして真似して喋ったら舌ベロがブチブチに切り刻まれちゃうような巻き舌調な言葉でしゃべる。

何ともエキゾチックな雰囲気に囲まれているうちに離陸した。



10分…20分経った。何も起こらない。
あれ、映画は?ヘッドフォンは?ブランケット(毛布)は?
…ないのである。サービスゼロ。
頼んだ人しかくれない飲み物はごく限られていて、戒律上のせいでお酒もなし。
う~ん、そうか、中東だからイロイロ制約があるワケね。
機内のスクリーンには延々2時間、「只今のメッカの方向」の矢印が出てるのみ。
その矢印がビミョ~~に動くのを乗客はまっすぐ前を向いて見てるだけという何とも重苦しいフライトだった。
だって他に何にもやることないんだもん。

それなら精神的苦痛だけなのでまだいい。
バンコク→香港の飛行機はよく遅れて出発するのだ。 で、結果として乗換の飛行機に乗り込むために、
約70番ゲートまであるダダっ広い香港の空港を全速力で走ることになる。
(ちなみに名古屋空港は7番ゲートしかない)
発着フロアーも違うのでたいへんだ。
途中やっかいなX線検査もある。
「おお~、今回は70番搭乗口!一番端っこじゃね~か!」って感じだ。
涙を拭いているヒマなどない。走らねば。
離陸しようとしてる飛行機を追いかけて滑走路を走り、タイヤにしがみついて翼によじ登り、
「お~い!開けてくれぃ」と窓をガンガン叩いて飛び乗ったことはないが、いつもそれに近い。

香港→名古屋便が遅れることもある。
夜遅く名古屋に着いて通関申告をしてると俺ひとりだけになる事もある。
50キロを超す商品を全部ブチ開けられるので時間がかかるのだ。

あんまり悪口書くといけないので、その航空会社の名前はキャセイ・パシフィックというのはここでは伏せておこう。
マイレージ登録をする時の記入欄の「あなたの性別は?」の所に
「男」「女」「その他」とあるのもナイショだ。




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