放浪の達人ブログ

ネパールのバス 再び


ヒマラヤの山奥に行ってアンモナイトを探すのが主な目的だった。

ヒマラヤ山脈への起点はポカラという町である。
ネパール到着後、カトマンズの現地の友人宅でしばらく居候した後、
俺はローカルバスでポカラへ向かった。
オンボロバスに人を乗せれるだけ乗せるという例のスタイルだ。
所要時間は6時間から15時間という
とてつもなくアバウトなタイムスケジュールだ。

10年近く前にこのバスに乗った時は
「ボロボロのジェットコースターに定員オーバーで乗ってるようなもの」
そういう表現が1番適切だった。
さて、ネパールのバスはあれから進歩したのだろうか?
そんな怖いもの見たさから再びローカルバスをチョイスしたのだ。

カトマンズからポカラまで(名古屋~大阪ぐらいの距離)ナント¥165!
や、安すぎる!
ていうか安いにはそれなりのワケがあるのだった。

で、これはネパールのローカル長距離バスの最新情報であるが、
今回もなかなか刺激のあるバスの旅だった。

乗客の命は運転手に全て委ねられると言っても決して過言ではないだろう。
「早く着く」「遅く着く」「着かない」「事故る」「事故らない」は
運転手のアタリハズレで決まる。
ぐねぐねの山道で視界が利かないカーブでも平気で追い越しをかける。
対向車が来るか来ないは運次第である。
だがよく観察すると「うわ!ぶつかる!」という局面でも
抜く車、抜かれる車、対向車の計3台の運転手は
絶妙なかけ引きによってコンマ数秒単位で譲り合っているのだった。

この道中で正面衝突の現場を見た件数は1件だけだったが、
脱輪して溝にハマってた車は数え切れず、
崖から半分落ちかかってる車2台、
ぐちゃぐちゃに壊れていたバス1台、
燃えカスになっていたバス1台、てな具合だ。
俺の乗ったバスは途中パンクして30分停まっただけなので
まぁ小吉から中吉といったトコだろう。

何しろ良くて6時間、悪くて15時間かけて目的地まで行くので
途中でドライブインというか峠の店で休憩を取る事になる。
30人乗りバスの中の乗客約60人以上は
ここで各自で食事を注文しトイレに行き、
みんなが「おおよそ」食べ終わって集まったところで再出発する。

再出発の合図はクラクションを2回鳴らすだけ。
運転手は乗客の数をチェックしない。
もしトイレに入っている時に
そのクラクションを聞いたとしてもアウトだ。

過去「トイレに入ってて乗り遅れたお陰で助かった」という
ウンの良い人もいたのかな?と思うと 運命の不思議を感じるね。

アジアのバスは覚悟して乗れ!

パンク修理中



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