放浪の達人ブログ

ランク付け



おそらく年末年始は子供達が最も好きな時期であろう。
クリスチャンでもないのにプレゼントが貰えるクリスマスと、
親戚からお年玉が貰える正月が冬休み中に訪れるのだからたまらない。

子供というのは案外シビアである。
お年玉の金額によって親戚の人にある種の【ランク付け】をするのだ。
あのおじちゃんは気前がいい、あのおばちゃんはケチだなどと、
近い親戚や遠い親戚などはお構いなしである。
それにいくら仰々しい袋でお年玉を貰っても
中身が他の親戚よりも少なければ逆効果である。
「ケッ、うわべだけかよ」と人間性すらビミョーに察知してしまうので怖いものだ。

俺は女ばかりに囲まれた5人兄弟だ。ビンボー人の子だくさんとはよく言ったもので、
お年玉を貰っても「はい、お母さんが預かっておいてあげるからね」と
優しい言葉に誘われ・・・・・それきりであった。
兄弟が多いと子供には葛藤も多い。俺の場合を例に出そう。
親戚の人はもちろん一家族に5人もクソガキがいる俺の家を
この時ばかりはうとましく思っただろうが、
5人に均等の金額のお年玉をくれる事がよくあった。
ケンカしないように平等にと考えた末の結論であっただろうが、
これがまた子供心の嫉妬心に火を付けるのである。
すぐ上のお姉ちゃんやすぐ下の妹と俺が同金額なのはナットク出来る。
しかし、まだクソ垂れ流しオムツ野郎の1番下のバブちゃんと俺が同額とは
一体どういうことなんでえ!と感じたのであった。
これには1番下の妹に対する嫉妬(この場合英語のShitとダブルミーニングだ)と同時に
赤ん坊と同等の措置をとられたお兄ちゃんとしての権威が打ち砕かれたものだ。

大袈裟に言えばこういう体験が社会人になってからの自分にも大きく影響した。
そう、忌わしき年功序列制度というニッポンのくだらん社会制度に対してだ。
俺はこんなに働いてるのにどうして何もしてねえ年寄りの偉いさんどもが
倍以上の月給もらってやがんでえ!という思いだ。
やがてその考えは俺が独立して店を持つのにつながって行ったのだから
お年玉といえどなかなか哲学というかトラウマというか、である。

会社の給料も子供のお年玉も実力制度にしたらどうだろう?
若くても仕事が出来れば給料を多く、と同時に子供のお年玉の額も
家族や親戚に貢献した具合によって金額アップというやつだ。
悪い子は逆に親にお年玉をペナルティーとして差し出さねばならないとか。

これ読んだお子ちゃま達、常日頃から子供らしくけな気に装っておきたまえ。
それからこれ読んだ大人達、子供からのランク付けのトップに立ちたいならば
お年玉は質素な袋とかティッシュに包んで一度子供心を失望させておき、
実は中身は100万円とかにしておくと老後は安泰だぞ。

ハッ!俺もう大人なんでお年玉「あげる立場」だった~。


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