放浪の達人ブログ

ロマン



このエッセイを読んでくれている人達の中にもちょうど自動車教習所に通ってる人がいると思う。
只今教習所は大盛況だろう。俺も18歳の時に免許を取った。
運転が荒くて教官に「降りろ!」と言われたのは一度だけなのでスバラシイ成績ということになる。

免許を取って最初に買った車は某メーカーの普通の車だった。
次に買ったのは某M社のスポーツカーである。前方に向かって開くボンネットは無駄な程に長く、
細道から出る時に左右確認をしている時にはすでに車体の半分は
道路に出てしまっているフトトギ車である。
パワステ、パワーウインドーという邪道なモノは付いていない。
以降そいつを19年間所有している。19年乗っているという事は
ヨメよりも長く乗っているというお下劣ネタも付け加えておこう。

そのスポーツカーを買って3日後にスピード違反で青色切符を切られ、
その12時間後に再びスピード違反で赤色切符一発免停を喰らった事がある。
夜中の山道を走っていると突然おっさんが道の脇から飛び出して来たので急ブレーキをかけ
「おっさん、轢くぞ!」と怒鳴ったらそれは警官だったというのは
どーでもいい事なのでここでは省略しておく。

その後、この車を何度も手放さなければならないような時があった。
そう、ヨメからの執拗なバッシングである。
「私が運転出来ない」「子供を乗せれない」「手間がかかる」「鉄クズ」と非難され、
ののしられ蹴られ殴られ刺されたりもしたが(ちょっとオーバーか)
どうしても手放したくなかったのであった。

何を隠そう、去年は中古の一戸建てを買った。
子供達には各自の部屋が割り当てられ家族は大喜びなのだが
(といっても以前のボロ長屋暮らしのクセでいつも一部屋に集まっている貧乏性である)
実はこの家に決めたのは2台分のガレージがあったからである。
俺にとってはガレージ付きの家というよりも、
家付きのガレージというのがキメテなのであったことをここでヨメに謝罪しておこう。
本当ならばサンダーバードの基地のように敷地が割れてヤシの木が倒れ、
地下からご出動というのが理想であったがそこは止むを得ず妥協する事となった。

女にはわからないだろうが、男にはロマンというかこだわりがある。
いくら家族を愛しているといっても捨て切れないモノがあるのだ。
それは車であったり収集品であったり、はたまたちんちくりんなプライドであったりする。
俺にはこれといったコレクションはなく、まあ挙げるとしたら札束だけなのだが(ウソ)
世の中にはコインやおもちゃ、ライター、カメラ、時計、鉄道模型などといった
オタクすれすれ、あるいはその一線をもう越えているコレクターがいる。
中には理解出来ないモノを収集している人もいるのだが、彼らを責める事はできはしない。
彼らはそれらに【ロマン】を見い出しているのだ。
大人になってしまった大人はロマンを持たない。
「いい歳して」とか「お父さん、こんなもの集めて」とかの声は無視して突っ走れ。
俺はそういう子供心を持った大人が好きなんだけどなあ。
でも世の中には家の敷地いっぱいに粗大ゴミを収集してしまう人もいるが、
アレは近所迷惑であるからやめてくれ。ていうかロマンを感じねえからさ。

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