放浪の達人ブログ

ヤシの実



俺は25年以上もローリング・ストーンズのファンだ。
今年4月の名古屋公演は当然行ったし、翌日セントレア空港まで
見送りに行きメンバーに触って大喜びしたほど好きである。
当然その2日間の仕事は休業であった。

数週間後、ストーンズのギタリストのキース・リチャーズが
「ヤシの木から落ちて怪我」というニュースが世界中に流れた。
62歳がヤシの木に登るという行為自体にビックリだが 、
彼程の人物がヤシの実を獲ろうとして木に登ったという事実の方が
俺は苦笑させられた。

彼らがワールドツアーをすれば莫大な金と人が動く。
ギャラは1公演1億円とも言われ、ジャンボ機をチャーターして
世界を駆け回る。ヤシの木事件が起きた日も彼は1泊 30万円の
スイートルームに泊まり休暇を楽しんでいた。

何が彼を木に登らせたのか。そこには俺達一般人と何ら変わりのない
単純で純粋な欲望があったのだろう。
お金を払ってヤシの実を獲ってもらうとか、俺はストーンズのキースだぜ、
木登りなんて格好悪いぜとか、そんな感情は全くなかったんだと思う。
ただ自分で手に入れる。そこには金だの名声だのそんなちっぽけなものは関係ない。

相棒のミック・ジャガーは「キースは自覚が足りない」と怒ったらしい。
怪我とかでツアー日程が狂えば彼らを取り巻くスタッフをはじめ
多大な人と金の損失が出る。そういう事をふまえて行動しろというのだ。
正論である。しかし俺は自覚とは何か、と考えてしまう。
自覚によって行動は正しい方向へと向かうが、それと同時に制限もされてしまう。
程好く自制し程好く個性的で程好く行動する。それがまあ世間さまに認められる
立派な人というわけだろうが残念ながら俺はそういうことに欠けている。
どちらかというと本能的なのだ。やりたい事はやる、やりたくない事はやらない。
我ながら自分が好きである。ま、それによって会社やバイトをクビになったことが
実際何回かあるがな。

それにしてもヤシの木から落ちたという事だけでYahooのトップニュースに
載ってみたいもんである。いくら俺が同じ事になっても「斎藤達人さん」と
名前なんか出ずに「中年男性」とだけ載るんだよなあ。
いやいや、中日新聞の三河版どころか町内回覧板にすら載らねえって!
せいぜいお隣りさんの夕食時のお笑いネタになるぐらいだよね。
スマン・・・。

keith2006

キース復活


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