放浪の達人ブログ

TV出演



岡崎城が最近になって日本百名城に選ばれたらしい。
あれほど由緒ある城が今まで選ばれてなかったというのが逆に驚きである。
もしかしたらNHK連続ドラマの「純情きらり」によって
岡崎に目が向けられた効果かもしれない。

「純情きらり」には岡崎市民がエキストラとして多数出演もする。
先日珍しく朝8時頃起きて「純情きらり」を観た。
俺はエキストラを探せ、という頭があったのでそこを注意して観ていたのだが、
どのエキストラもアッという間の登場なのである。大抵は後ろ姿が1秒映る程度。
「私ドラマに出るの」と宣伝しまくり、自宅でも今か今かと待ち構えた末に
1秒じゃガッカリだろう。これじゃ「純情ちらり」である。

TV出演とはキツいものだ。例えば地方に住む少年が親の反対を押し切って
俳優への道を選び上京する。いつかはTVに出演することを夢見て
東京のボロアパート(共同トイレ)に住み、辛く悲しい芸能生活苦節10年。
ついに某TV番組から出演依頼が来る。喜んで故郷に電話をする彼。
「お母さん、TV出演決まったで!何と30分番組の副主人公や!」
故郷の母は涙ながらに喜び親戚知人に電話をかけまくる。
「おかげ様でやっとうちの息子がTV出演しますわ」
これを機会に彼の実家はDVDを買う。息子の晴れ舞台、永久保存版である。
さて放送当日、彼の実家の居間には十数人の親戚知人先生同級生らが集まり
村のお祭りの時よりも大盛り上がりである。
そしていよいよ始まった番組。男のガキが敬愛するウルトラマンシリーズだ。
「お~、こんな有名番組に出るんか、すげえのう!」と
地元が産み出した俳優をしっかり見ようと一同は息を飲んで進行を見守る。
・・・・・・・(30分の沈黙)・・・・・・・
番組終了。で、出なかった・・・。
おかしいなあ、日にち間違えたのかな?と東京の息子に連絡をする。
「あんた、出んかったがね」「え、最初から出てたよ、怪獣の役で」
・・・わかるはずもない、着ぐるみを着てたからである。

俳優業は時に非情だ。
せっかくTV出演を果たしたのに意地悪な役だったり敵役だったりすると、
その後の仕事の依頼内容もそちらに傾く恐れがある。
幽霊役に選ばれようものなら目も当てられない。
「うちの娘はせっかくTVに出たのに逆にサダコと呼ばれて怖がられ避けられる」とかさ。

まあエキストラちょちょいのちょい止まりが賢明なのかも知れねえぞ。

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