放浪の達人ブログ

ワタクシ日本人です



 俺はアジアに買い付けに行くとしばしば現地人に間違われる。
肌の色がそこそこ小麦色だし顔の彫りが濃いという理由もあるだろうが、それよりもラフな格好
(言い換えれば現地人よりも粗末な格好)でブラブラ歩いているのが原因であろう。
道なんてよく尋ねられたりする。

 随分前にタイの屋台、しかも観光客などまず来ない薄汚れた裏通りで晩飯を食っていた。
ドブ河沿いのその屋台にはカニやエビやイカやチキンなどが適当に置かれてあって、
それを指さして料理方法を指定するのである。ちなみに1食60円ほど。
テーブルに座っているとアジア系の男性が英語で声を掛けてきた。
「この店じゃどうやってオーダーするんだい?」
一見して中国人か韓国人だと思われるその男は語尾に「メ~ン?」をつけるので
上手な英語がますます流暢に感じられる。多分アメリカとかに留学でもしてたのだろう。
みんなもTVとかで聞いた事あるだろ?「ヘイ、メ~ン」ってやつ。

 俺はオーダーの方法を彼に教えて「よかったら一緒のテーブルでどうだい?」と言った。
10分ほど雑談をした後、彼が「ところでどこの国から?」と訊いてきた。
「むむ?こやつは現地人ではなさそうだな」とやっと気付いたようなのである。
俺は「ジャパン」と答えた。すると彼は途端に日本語になって
「な~んだ、日本の方だったんですか!僕も日本人です」というオチになったのである。
俺のことを最初は現地人だと思い、話していてだんだん香港人なのかな?と思ってきたので
訊いてみたと言うのである。お互いを日本人だと思わなかったというのはなかなか滑稽だった。

 俺達日本人っていうのは外国人を見てもどこの国の人だかなかなか判断できない。
日韓中の区別もできないしタイ人とベトナム人とミャンマー人の区別、
アメリカ人とカナダ人の区別もできない。まあ別に区別の必要性も感じないからいいのだが、
アジアの観光地ではオバさんや子供すらその区別の仕方を知っているのには驚かされる。
日本人には日本語で、韓国人にはハングル語で物を売りつけて来るのだ。
それは生活のために身についた知恵なのである。

 ところで某T国のB市には改造人間がいっぱいいる。男性から女性へと身も心も改造した人達である。
俺は風俗的な遊びは一切しないので問題ないのだが、その改造人間にまんまと引っかかって
テイクアウトしてしまう日本人観光客っていっぱいいるらしいんだよね~。
やっぱり区別をつける目ってのは必要だな。せめて男か女かは見極めようぜ、メ~ン。

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