放浪の達人ブログ

ラストシーン

     【ラストシーン】

 先日、このコーナーのファンの方から小林誠子(こばやしともこ)著【ラストシーン】という
本を譲って戴いた。サブタイトルに「夢を追いかけ散っていった冒険者たちの物語」とある。
植村直己氏や星野道夫氏といった冒険者達8人を追ったドキュメンタリーである。
(バジリコ社出版、380ページ、¥1890)
筆者の主観が入ることなく淡々と各冒険者達の生きざまと死にざまが書かれている。
へぇ~、読んでみよう、という方は正文館やアマゾンでご注文を。
(宣伝しときました、花木さん。あ、実名出しちゃった)

 恐らく人間、特に男性は2通りの死に方を望んでいる人に分けられると思う。
1つめは子供や孫に見守られ寿命を全うして終えるという、いわゆる「大往生」だ。
「あ~、色々あったけど俺の人生も捨てたもんじゃなかったな」と満足し、
あるいは無理矢理自分を納得させてオノレの生き方を振り返って死ぬというやつである。
2つめはこのラストシーンの冒険者達のように、夢を追ってる途中で死にたいという人。
老いる前に惜しまれながら死んでいく、ある意味「男の美学」を含んだ死に方である。

 俺は家庭を持っているがかなり自由気ままに生きている。
「ラストシーン」の冒険者達のような死に方を選びたいタイプである。
「そんな事になったら残された家族がかわいそうじゃん」という考えはごもっともだが、
そんなキレイゴトを言う奴らはこんな医学的統計があるのをご存知だろうか?
「夫婦において妻が先に死んだ場合、残された夫の平均寿命は短くなる」
「特に高齢者の場合は妻の死後2年以内に亡くなるケースが多い」
あ~、わかるわかる。ヨメに先立たれてガックリきて急に老け込むタイプって多いからな。

 問題はその逆。ここに女の逞しさが浮き彫りになっている。
「夫が先に死んだ場合、残された妻の平均寿命は7~8年延びる」というものである。
あ~、これもわかるよ。ダンナが死んでしばらくは落ち込んでたヨメさん、
2~3年もすると急に若々しくなって化粧も以前よりするようになり、
色んな所に出掛けたり習い事するようになるんだよな。中には若い男と再婚したり。
いわゆる「第2の人生」に目覚めるわけだ。

 という統計からみて世の中のご主人、「俺が死んだら家内が路頭に迷う」なんて
自意識過剰はやめておけや。ヨメには生命保険ががっぽり転がり込むし、
住宅ローンは世帯主が死んだら保険で相殺されるってケースが多いから大丈夫。
安心して死んでくれや。

 機会があったら夫婦で死について話し合うってのをオススメするぞ。
その話し合いの結果、既に夫婦愛が醒めてるのが再確認されたり熟年離婚に発展しても
俺は一切知らねえけどな。何はともあれ迷惑掛けずにスパッと死にてえわな。
(自殺はダメよ、保険金おりねえぞ)


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