放浪の達人ブログ

貸し出し担当

【貸し出し担当】

岡崎城の北側に新図書館【りぶら】が出来てから俺は頻繁に利用させてもらっている。
とりあえず市民税がチャラになるぐらい借りようというセコい意気込みがあるのは言うまでもない。
俺の店があるシビコから歩いて3分だし、何よりも夜9時まで開いているのがありがたい。
仕事帰りに太宰治なんかを片っ端から借りてどっぷりと無情の世界に浸っているのだが、
この不景気で落ち込んでる時に「人間失格」や「ヴィヨンの妻」なんかを読むと絶望感が増すので
オノレの不幸な境遇を嘆いてる奴が読むには太宰はマズい。
自殺への道へ走ってしまいそうだからである。
ちなみに【りぶら】の文庫本コーナーの太宰治の左横には[新保裕一]の作品が並んでいる。
彼の作品もこれまた絶望感たっぷりの小説が多くて気に入っている。

本にしろDVDにしろ、それで借りる人の趣味や人格がある程度わかるものである。
きっと貸し出し担当者や返却受け付け担当者は利用者の顔を見ながら
「あ~、この人がコレ借りるの納得納得。ちょっと気難しそうな雰囲気してるもんね」とか
「え~、こんなイケ面の人がコレ借りるの~?ショックだわ~」とか
「おめえ借りるジャンルがえらくバラバラだけど頭大丈夫か?」とか
「へ~、奥さん料理のメニュー開拓ね。そんで子供用にこれも借りるのね。破らず返せよ」とか
「え?求人誌ですか?うち図書館なんでそれは置いてないんですけど。
 (つーか、おめえ毎日開館から閉館までずっといるよなあ、この頃そういう人多いなあ)」とか、
にこやかな顔で対応しながら色々と人間分析してると思うのだ。

レンタルビデオ・DVDショップの店員さんも同じように利用者を観察してるんだろうな。
「このDVD、全米が泣いた愛と感動のストーリーってことだけど全然つまんねえぞ」とか
「ええ歳してアニメ借りるの?でもよく見るとこのおっさんアキバ系っぽいな~、ヤバヤバ」とか
「今頃そのビデオ借りるの?てか、それが残ってたこと自体、我が店ながらびっくり」とか
「おお!ご夫婦でソレ観るんですか!さては今夜は・・・。健闘を祈る!」とか
人間模様が織りなす様々なドラマを感じ取ってるんだろうな、と思う。

【りぶら】のHPは少々お固い気がするが、HPから本の検索が出来るのが嬉しい。
そこでHPを見てくれる一般市民の反響をもっと良くするために俺から1つ提案がある。
貸し出し担当者さんの本音を綴る【りぶらブログ】でも開設して欲しいと思うのだ。
[今日のお客様紹介]というコーナーで来館されたおかしな人あぶない人を紹介するのである。
「顔中アザだらけの男性が”妻とのなごやかな接し方”という本をオドオド借りて行きました」とか
「板前さんの格好をした人が”人体解剖図鑑”を借りて行かれました」とか
そういうブログを作ると面白いんじゃねえかな?どーっすか?りぶら担当者さん。


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: