放浪の達人ブログ

旅の持ち物

   【旅の持ち物】

高校を卒業して就職する長男とタイに行ってきた。
タイでは裏通りの安宿に泊まりメシは屋台、移動は市バスやボート、ローカル電車という
俺が昔からやっているスタイルで行動したのだが息子は楽しんでくれたんじゃないだろうか。
俺達は毎晩違う安宿(1人1泊¥300弱)を探し出しては転々と移動していた。
宿にチェックインしたらまずは洗濯をする。着替えを1回分しか持たない俺達は非常に荷物が少ない。
ちなみにその他の荷物といえばタオル、歯磨きセット、石鹸、お金、パスポート、デジカメ程度だ。
それに比べて欧米人というのはすんげえ荷物を担いで移動している。
休暇が長く取れるのも要因の1つだろうが、大きなリュックに寝袋を縛りつけたり
サブリュックも前に抱えていたりして日本の浮浪者よりも断然荷物が多い。
そういう荷物の他にも意味不明の荷物を持っている奴らは多い。

今回の宿で居合わせたベルギー人女性はフラフープを持って旅に出て来たらしいが
宿の中庭で宴会をやった翌朝、ビーチへと電車で旅立つ彼女はそれを持って出発して行った。
イギリス人で多いのは長いホウキを持って旅に出る奴である。
イギリス人は潔癖症が多いと聞くので、安宿の汚れが気になるからだろうと思われる。
だったら1ランク上の宿に泊まればいいと思うのだがバックパッカーのプライドはそれを許さない。
アメリカ人はギターを持って旅に出る。皆さんご存知のようにアメリカ人は自己中心タイプが多い。
周りを楽しませて自分が輪の中心に位置したいし目立ちたい、と考えてのアイテムなのだろう。
俺が勝手に「ヒッピー3大唱歌」と名付けている永遠の名曲がある。
「天国への階段」「ホテル・カリフォルニア」「イマジン」だ。
ゲストハウスのロビーなんかでギターを持った奴がイントロを弾き始めると確かに盛り上がる。
ただし、それは最初の1分だけだ。歌詞が2番に入るとヒッピー共の合唱も止み、
間奏のギターソロを恍惚のブッダ目で弾いているアメリカ人を見るともはや皆ドン引きである。
以前会ったドイツ人は標高5000mのヒマラヤまで自転車を持って来たそうだ。
そこから一気に麓まで降りるつもりだったがあえなく玉砕したらしい。
とにかく彼らは交通機関で移動する際、周りに多大な迷惑をかけるのを認識していない。
俺達日本人はせいぜい本だとかipodだとかの「邪魔にならずに楽しめる物」を持って行く程度だ。
俺はそういった「一瞬のキラメキ」のために重荷を背負う彼らのことを微笑ましく思う。

ちなみに俺は「不要になった物は現地で売ってくる派」だ。
カメラのキタムラで500円で仕入れた中古カメラをタイの路上で8000円で売りさばいたり、
ネパールでは韓国製というタグを切り取って「日本製の寝袋だ」と偽って高く売ったり、
5円玉を「世界でも珍しい穴のあいた本物の硬貨」と言って300円相当の品と交換したり、
ヒマラヤから下山する際にすれ違ったドイツ人にアイゼンを「ユーロ払いでいいぜ」と売り払ったり
(何と彼はテニスシューズでヒマラヤに登って来た)まさに相手の足元を見て商売している。(笑)


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