放浪の達人ブログ

幽霊

   【幽霊】

夏といえば花火、海、スイカ、朝顔、風鈴などのキーワードがある。
そして忘れちゃならないのが幽霊。今月号は夏らしく幽霊の話をしよう。
俺は登山が好きなので色んな山に登るが大抵は深夜から登るスタイルだ。
深夜の森を歩き、空の開けた場所では地面に寝転んで満天の星を眺める。
それはウットリするような幸せな気分だ。怖さなんて感じない。
いや、正確には「感じなかった」という過去形になる。
あの怪事件(ネットで「放浪の達人ブログ 空木平避難小屋」で検索してくれ)を
体験してしまってから1年間は山はおろか、自宅の2階にも一人で行けなかった。

他にも山での怪奇現象に出くわしたことがある。
富士山でライトの光だけが下りてくるのを見たり(これも俺のブログで検索してくれ)、
今年の元旦の深夜に御在所岳を3人で歩いていたらライトを持った人影が
滝つぼに向かって歩いていたが忽然と消えたのを3人同時に目撃したり。
深夜4時前に登山道を外れた危険な場所を歩いていること自体がおかしかった。

しかし、それでも俺は幽霊の存在にまだ懐疑的なのだ。
深夜のいわく付きの無人避難小屋で枕元を歩かれるなどのラップ現象を体験したり、
ライトの光だけが見えて忽然と消えたという体験をしたけれども信じられない。
霊に質量がある、というのは科学的に不可能なのである。
しかも俺は幽霊そのものの姿を見たわけではない。
夏になるとテレビで放送されるお化け番組や、実際の映像と称したやつを見ても
「こんなのインチキだろ、作った映像だろ」と思って信用しないのだ。
よく「霊が見える人」っているけどどうよ?
あれって過去に見たTVや怖い話などが潜在意識にインプットされていて、
それによって作られた妄想が網膜に作用しただけなんじゃないのかな?とも思う。
火が熱いというのを体験したこともない動物が火を怖がるという本能、
それと似た感じではないのかなあと思うのである。

とはいうものの、怖い話を聞いた後やお化け番組を観た後は何だか怖い。
洗面台で歯を磨いている時には鏡の隅にお化けが映るんじゃないか?と思うし、
お風呂で頭を洗っている時には背後が気になったりする。
斜め後ろにあるドアが全開や全閉なら怖くないのに10cmほどの隙間が開いていると、
そこから誰かが覗いているような雰囲気がする。独り住まいの人は怖いだろうなあ。
幽霊の存在が半信半疑というのは何だか半殺しに遭ってる気分がする。
いっそのこと目の前に幽霊がちゃんと現れ、存在が確定的なものになって欲しいと思っている。


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