放浪の達人ブログ

レンタサイクル

     【レンタサイクル】

毎年タイの田舎に遊びに行っているが現地では自転車を借りる。
アジア雑貨をやっていた頃は独りで行くことが多かったが
店をやめてからは夫婦でのんびり行くことが多くなった。
海沿いのコテージに泊まって自転車で近場をブラブラしたり、
ちょっと遠い場所に行く時はレンタバイクで走り回る。
優雅そうに思えるだろうが実は国内旅行よりも安いのだ。
日本の宿が1泊1万円だとして夫婦なら2人で1泊2万円。
それに対してアジアの宿は1泊3千円も払えばかなり良い宿に泊まれる。
1人3千円ではない。2人で3千円だ。しかも朝食2人分付き。
ということは1人あたりの値段は朝食が付いて1500円ということになる。
エアコン、バスルーム、トイレ、TV付きで日本の1万円クラスの部屋より良い。
プール付きの庭がある宿が大体そのレベルの値段だ。
そこまで求めないのなら1泊500円程のアットホームな安宿がいくらでもある。

タイのバンコクは世界中に飛ぶ飛行機のハブ空港のような位置付けがあるので
日本からバンコクへの飛行機代も随分安い。オフシーズンなんて往復3万円程度だ。
レンタバイクは1日300円程度、レンタサイクルなら1日100円程度。
タイは治安も良くて親日的なので困った時でもタイ人は親切にしてくれる。
30年程前は日本人はアジアで日本円をバラ撒いて調子こいていた。
日本円は陰でモンキーマネーと呼ばれ、中年じじいどもが現地の女性を買い漁り、
飛行機の中でも騒いだりして本当にみっともなかった。
それを忘れてか知らないでか、今では隣りの大国のマナーを叩いているが、
昔の日本人団体客もお揃いの赤い帽子被って胸に黄色いツアー名書いたリボン付けて
「はい、皆さん、こちらですよ~」と旗を振る添乗員の後ろを迷子にならないように
周りをキョロキョロ見ながらおのぼりさんみたいな旅行をしてたのだ。
現在の日本の凋落は残念だが、やっと旅先でのマナーを守るようになってきた。
今では日本人のマナーは格段に良くなり、タイ人達の心も親日になってくれた。
ただ、団体でツアー行動をしてると現地の人達と触れ合う時間というものが難しい。
バスを降りて土産物屋で買い物をする自由時間しかないんじゃないのかな。
そこでにこやかな営業スマイルを受けながら観光客値段の買い物をするのも寂しいよな。

そんなわけで俺個人の考えとしては団体ツアーではなく個人旅行をお薦めする。
街全体が世界遺産になっているアユタヤは世界中のツアー客が多い。
彼らは有名どころの寺院を短時間滞在で転々とバスで移動して見て回るが、
ツアーを利用せずに自転車でのんびり回るとすごく楽しいのである。
裏道の駄菓子屋でアイスを食べたり安食堂でご飯を食べたり、
目に留まった雑貨屋にフラリと入って行ったりと自由が効くのだ。
アユタヤの遺跡群は夜になるとライトアップされる。
ライトアップ巡りをするツアーもあるがこれも滞在時間が短く、
ほんの20分程度で別のスポットに移動して行く。
自転車ならばライトアップされた遺跡を色んな角度から見て回れるし、
それより更に良いのはアジアの夜風を身体で感じることが出来る。
ツアー旅行者の皆さんが忙しい1日の観光を終えてホテルの宿に戻る時間、
街では屋台や露店がズラリと並んだナイトバザールが盛況だ。
駐輪場に自転車を停めてのバザール巡りも楽しいよ。

ただ、昼間に自転車に乗っているのなら何の心配もない。問題は夜である。
昼間はダラリと道路脇の日陰に寝転んでいた犬が、夜になると狼のように凶暴になるのだ。
夜の遺跡見物やナイトバザールに行く時に犬に遭遇するとマジで怖い。
全力で自転車を漕ぐ俺の足に噛み付こうとしているのかずっと吠えながら並走してくる。
アジアでの夜の自転車は犬が諦めるまで全力で漕ぎ続ける持久力も必要なのである。


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