放浪の達人ブログ

仏像



義父の1周忌を三河地区のお寺で執り行った。
このお寺には金色の阿弥陀如来の像が鎮座していて
頭部は瑠璃色、印を結んで極彩色の蓮の上に結跏趺坐している。

俺は特に仏像が好きという程でもないが自宅には幾つかの仏像がある。
20代の頃からアジア各国を旅しているうちに集まったものだ。
玄関にはヒンドゥー教の神ラクシュミとガネーシャの像が飾ってあるし、
寝室にはバリ島で買った1メートル程の極彩色のガルーダがある。
アジア雑貨の店をやっていた時にシンボルにしていた像だ。
数年前にはスリランカのスーパーで真鍮製のガネーシャ像を買い足した。
他にも手に乗る小さな仏像をタイの露店で冷やかし半分で買ったりした。
ついでにチベットのマンダラや仏画も2階に上る階段横に飾ってあるので
玄関から寝室、2階の仕事部屋に至るまでちょっと怪しい家になっている。

ネパールのパタンという村は仏像を作る工房が集まっており、
裏通りに入ればそれらの工房で制作過程を見学することも出来るし、
オーダーも可能だが工房によって仏像の表情が違うので注意したい。
もちろん表通りではお土産屋で仏像も売っている。
現地では値段交渉をしながらの買い物になるのだが、
仏像を値切って買うっていう行為って何だか罰当たりみたいだよなあ。
でも値切らなければ相手の言い値なのでそこはある程度の交渉をしよう。
俺もパタンで不動明王や文殊菩薩など3体の仏像を買って仕事部屋に置いてある。
あ、不動明王は昔お世話になった裏社会の人にあげちゃったんだった。

前述のお寺の阿弥陀如来像の後ろ側にも回ってよく見ると
もしかしたらこれは日本で作られた像ではなく本場パタン製なのかな、と思った。
金色や瑠璃色の彩色具合、手作業による各部の模様や指先の仕草などが
パタンで飽きるほど見た仏像達とそっくりなのである。
京都や奈良にいる観音様や木製の仁王像とは表情はもちろん細部の作り方が違う。
螺髪部を瑠璃色に彩色するのはネパールのパタンで多く見られるのだ。

仏像をはじめ仏閣は古ければ古いほど重宝がられるし、
日本では数百年前に作られた日本製、或いは中国から渡来したものというと箔が付く。
ネパール製やチベット製というと知名度の問題で格が落ちる気がするが、
仏教の大元はチベットとかインドだと思うので(詳しく知らんけど)
あちらの方にもっと目を向けて欲しいと思っている。
河口慧海の歩いたネパール奥地を歩いたことがあるが現地の仏像はもっと土着的だし、
インドの仏像ともなるとめちゃカラフルでポップになっちゃうので、
日本の仏像の元祖はネパール平野部なのかなあ、と素人の俺は思っている。
仏像に興味のある人はネパールのカトマンズの東にある小さな村パタンを
ぜひぜひ訪問してみると良いよ。
観光客も多いし村の人も素朴な人が多いし安宿もホテルもいっぱいあるし、
お土産屋さんもたくさんだし寺院もいっぱいだからお薦めだよ。

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