放浪の達人ブログ

久々の野宿



久し振りに山奥で野宿をしてきた。
今回は高校時代からの友人が一緒に行こうと言ってくれたので
「じゃあ俺の別荘に招待しよう」と連絡をしておいた。
本当は別荘なんかではないのである。
何度も登ったことのある山の途中に見つけた建物があって
以前はスリランカ人2人と昼飯を食べたりもした場所だ。
一般的な定義では避難小屋は「四方に壁があって扉もある密閉空間」
東屋は「屋根はあるが四方の壁がない休憩場所的な空間」
展望台は「屋根も壁もない開放的な空間」というものだろうが、
今回利用する建物は二方面に壁はあるが二方面は展望の利くテラスで、
テラスに至るまで屋根がしっかりあり、テーブルもベンチも置いてある。
丸太を切っただけの椅子も多数置かれている。
行く途中のコンビニで食料を買って夜11時頃にそこに到着。
山腹の森の中にあるその避難小屋か東屋か展望台か分からん場所で
キャンドルに火を灯して楽しい夜を過ごした。
数年前にスリランカの森の中のツリーハウスに泊まったことがあるが、
そこと似たような雰囲気が味わえるというのが何とも嬉しい。

深夜3時ぐらいから山頂に向かって歩き始める。
登山道には満開のツツジが咲いていて闇夜にぼんやりとピンク色が浮かび、
夜の湿った匂いに花の甘い香りが混じって幽玄な感じだ。
山頂に着いて麓の街の夜景と星空を堪能した。
俺が数年前に買ったお散歩用デジカメのCanon s120には
星空モードってのがあって、地面にカメラを置いてシャッターを押せば
20秒ぐらいで星の光を集約してくれて天の川まで写せる。
10代の頃はフィルムカメラを天体望遠鏡に備え付けて
星空を10分ぐらい追尾しないと天の川は写せなかったが、
今やコンデジをパシャリとやるだけで写ってしまうんだから
カメラの進歩は素晴らしいものである。

夜明け頃になると星空は消えていき、代わりに鳥達が鳴き始める。
東の空に見えていた金星や木星もオレンジ色の薄明にかき消される。
山での朝はあの空気感がたまりませんなあ。
太陽が山の向こうから昇ったら残念ながら下山である。

拠点にしていた場所に戻って朝食を食べたり記念写真を撮ったりした。
いつまでもこの山の中で過ごしたいと思うけれど
長居をしていると登山客が登ってきちゃうしな。
実に楽しい野宿だったが一般的な人から見れば
ホームレスの中年男性2人が展望台に棲み付いていると思うかもなあ。

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