緊急事態宣言が出て、ますます緊張感が高まっている日々です・・・くれぐれもご自愛ください。
さかもとこーひーは本店・おゆみ野店・通販と・・・手洗い消毒マスク、3蜜を避けるを徹底して・・・通常通り営業しています。
メールのコメント欄、通常でも色々とお客様の日常を書いてくださる方が多いのですが、この3月4月と新型コロナのコメントが目立って多くなっています。
今週は来店を避けて通販でお届けする市内のご常連や・・・数年振りのご注文を下さったお客様が増えています。特に数年ぶりのお客様は、家にいてゆっくりする時間ができて・・・さかもとこーひーを思い出して下さったそうです。コメント付きでのご注文に心配が続く暮らしが伝わってきています。
震災の時にも同じように感じましたが・・・非常時の暮らしの中のこーひーの役割を実感しています。さかもとこーひーのご常連のみなさんにとって、ある意味暮らしのインフラに近いものだと自覚して、せめてこーひーはいつものようにお届けできるようにするんだと思っています。
そして、卸先のカフェやレストランの窮状は大変なもので、テイクアウトやお弁当で頑張っています。
通常のキッチンの仕事とは違って・・・異物混入、温度管理のオペレーションも変わりますし・・・お弁当にになると、消費期限・保存方法・アレルギー食品の明示、記載等あるようですが・・・営業許可を受けている飲食店の調理場内で調理した料理を店舗でテイクアウトとして対面販売する場合は基本特別な許可はいらないようです。(自宅で調理した料理を店頭販売は認められないとのことです。)
ただ、飲食店営業許可だけではテイクアウトできない食品があるようですし(保存される可能性がある食品、食中毒が起こりやすい等)・・・食肉製品ハム、ソーセージ、ベーコン、焼き豚、ローストチキン、コンビーフなどは、サンドイッチに使う、チャーハンに入れる、スライスしてオードブルで提供等の場合は必要ないようです・・・そういったチェックにもエネルギー取られますので、大変です。
それでも、外食自粛要請の中では、テイクアウトでの売上必要ですし・・・それぞれのお店の常連さんの役に立つのがとっても大切でしょう。色々なお店を見ていると・・・それぞれのお店の常連さんの暮らしが見えているお店と、ただ売上のためというお店との違いを感じています。
調理のプロとして・・・普段のお店の料理から少し離れて・・・ストレスいっぱいの常連のお客さんの暮らしに、調理の腕を生かして、喜んでもらえる、美味しい、元気の出る・・・勿論ちょうど良い使い勝手の良い価格でテイクアウトメニューを考えて欲しいと思っています。それと、そのテイクアウトやお弁当がリピートしやすいか、1回だけのものか、その辺も大切ですね。
そして、そのメニューやオペレーション、常連さんからの反応やご感想が・・・コロナが落ち着いた後のお店のバージョンアップのヒントになると思います。
ご常連の暮らし起点なら・・・不特定多数相手と違って、色々と発想しやすいですし・・・反応手応えも感じられます。ご常連の値ごろ感やお好みも分かっているでしょう。
常連さんにとっては、お気に入りのレストランやカフェのテイクアウトやお弁当は美味しさの安心感あるし、シェフがお客の暮らしのために考えたテイクアウトやお弁当なんて、夢のようと言うか、嬉しくて元気でますよねー。
20年来の常連さんが・・・「あちこちのお店でテイクアウトができるようになっていて、みなさん本当にたいへんなのだろうけどユーザーとしてはありがたい。でもこれどっかで既視感が、、、と思ったら台湾のお店だった。(台湾はだいたいどこでもテイクアウトできる)台湾、コロナも押さえ込んでるしテイクアウト天国だしさすが。」と、Tweetしていました。エンドユーザーさんのありがたい声だと思います。
そんなこんなで、ただでさえ生産性利益性の低い喫茶業界が、今回の非常事態でさらにきつい状態になっていますので、カフェ・自家焙煎店の後輩たちへ喫茶業界に入って46年の経験を書こうと思いました。
以前、毎年アメリカを訪問して、各都市で色々なカフェを訪れました。その時に印象的だったのは、インディーズのカフェがその街に馴染んで、街の人に親しまれ、必要とされていることでした。客数の多さと、テイクアウトの多さ・・・これでカフェが成り立っているのかと。ざっと計算すると・・・一日500-1000人の客数が想像できました。
それには、マシーンの抽出とエスプレッソが活躍していて・・・その後サードウェイブでハンドドリップが取り上げられて、日本のカフェはハンドドリップ優勢になってしまいました。ペーパードリップは本来家庭向けですから、家庭でのペーパードリップは良いのですが、カフェでは抽出に時間がかかってしまいます。
マルシャやイベントで・・・ハンドドリップコーヒー丁寧に淹れていて・・・行列が出来て・・・お客さんは他のキッチンカーでテイクアウトしたりお弁当買って早くコーヒーと一緒に楽しみたいのに・・・コーヒー一杯に時間かけてるのを見るたびに毎回気絶しています。さかもとこーひーの卸し先には1.5Lのプレスやコーヒーメーカーで淹れるのをアドバイスしたら・・・マルシェやキッチンカーで一日の杯数が5倍10倍にもなって・・・お客さんにも喜ばれています。プレスやコーヒーメーカーの抽出で満足してもらう、お代わりしたくなる魅力が必要ですが・・・。
さかもとこーひー開店して27年・・・その前は紅茶の店テ・カーマリーを10年・・・テ・カーマリーを開店してしばらくしてバブルになって、弾けました。その頃に喫茶店だけでは、子供を育てられない、一生やっていけないという危機感いっぱいになりました。
喫茶店はフローの商売なんですね・・・今流行っていても数年後がわからない不安・・・で、コーヒーや紅茶の知識技術には不安がなかったので、それをストックの商売にしようとビーンズショップを準備したんです。ハウスリストをストックすれば毎年毎年積み重ねていけると。
その話しを当時の月刊喫茶店経営の編集にして、カスタマーマネージメント顧客管理の特集にもなりました・・・全く継続しませんでした、反応悪かったんでしょう。飲食業界なので、製造小売業界の意識が弱いですね。
明治維新で日本が変わって・・・敗戦でまた変わって・・・その大きな転換から、戦後の成長期、情報交通の発展、輸入文化による流行りがあって・・・差別化・専門店化が進んできました。それでもコンシューマー消費者相手の商売メインで・・・カスタマー顧客相手の商売は拡大しずらいからなのか広まりませんでした。
まぁ、僕自身も紅茶の専門店から自家焙煎店、スペシャルティコーヒーと専門店化、差別化の道を進んできたのですが・・・バブルの後に・・・成長期から成熟期、衰退期への移行を感じて・・・紅茶自体元々家庭のものですし、コーヒーも暮らしの中のこーひーと言うことでビーンズショップを選んだのです(勿論、いくつかの理由のひとつなんですが)。
で、差別化、専門店化していくとマニア相手になってしまってお客がいなくなると言うことです・・・カフェやビーンズショップは地域の商売ですから・・・地域のお客さん相手だと差別化、専門店化していくとお客さんが足らない・・・地域の多くのお客さん、コーヒーに詳しくないけどコーヒー好きなお客さんが来店しやすい、リピートしやすい、必要とされる、無くなると困る店になることがポイントだと思っています。「マニアはジャンルを殺す」と言う言葉があるくらいですしね。
若い人のカフェは・・・シングルオリジンがどうした、フローラルやベリーがどうしたと強調しがちですが・・・そういう情報を求めるお客さんには勿論必要ですが・・・求めたいないお客さんには必要無い事に気がついていない店が気になります。
地域の常連さんに自分のスキルで必要とされる使い勝手の良い店になることでしょう。そのためには・・・2本3本の柱が必要だと思っています。
カフェなら・・・店内・テイクアウト・・・ワークショップやイベントで地域との関係性を作り深めること・・・豆売りも喜ばれるでしょう。カフェで喫茶メインだと豆売りがプラスになります・・・コーヒーメーカーでもドリップやプレスでも気軽に淹れられるのが大切ですね。お店で名人芸のドリップしていると普通のお客さん遠ざかってしまいます。で、コアな常連さんだけでもストックの形にすることです。
自家焙煎店なら・・・家庭向け、卸、通販・・・ただし、喫茶カフェはしないほうが将来のポテンシャル高いです、これは自家焙煎の相談に来る方に最初に伝えています。ビーンズショップはカフェしないことを強く勧めているんです・・・カフェしない事で、家庭でのコーヒーにフォーカスしやすくなります。ビーンズショップはストックのビジネスモデルが基本です。
新型コロナウィルスが収束しても、以前のカフェやレストランのようなビジネスモデルは厳しいでしょう・・・個人店は昔のような地域に必要とされることにフォーカスすることですね。
昔は、情報も交通も限られていたので・・・来店があって、出前があって、宴会があって・・・近所のお客さんで成り立っていました。今は、情報量多いですし、ネットSNS重要ですが・・・基本は近所地域にフォーカスすることです・・・勿論、客単価によってその範囲は変わってきますけれども。
そして、近所のお客さん増えると・・・なんと、遠くのお客さんも増えるんです。SNSで遠くのお客さん集めようとすると、近所のお客さん増えないですね。
うーん、上手くまとまらないです・・・地域のどのようなお客さんに喜んでもらうのか明確にする事でしょう。
さかもとこーひーは「部屋中にひろがる香りと後味の美味しさ」を大切にしています。
「ブラジル・パッセイオ」 2024.10.23
「アフターダーク」 2024.10.22
「パナマ・レリダ・パカマラ」 2024.10.21
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