淀風庵の酒詩歌日記

淀風庵の酒詩歌日記

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2008年01月20日
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カテゴリ: ウォッチング

 特に印象的なのは、数年前、移り住んだ東三国のマンション近くに「またきてや」という小さな中華料理店が登場したときで、思わず噴出してしまったが、今も健在である。

 このような大阪的な商売人文化を象徴するような、けったいな名称の店舗(珍名店)を写真で留めておこうとぼちぼち収めてきたところ30店に達した。

 大阪の街の看板広告についてもいえようが、これら収集した珍名店を考現学的に分析すれば、大阪人の特異な思考法や価値観を再発見できるかと思う。まだ少サンプルであるが、若干の考察を加えてみた。

1.珍名店が多い場所は、新世界や天神橋筋など庶民的な街である。心斎橋や梅田のように格好つけて客寄せする必要がないからだろう。

2.飾らぬ大衆的店舗に珍名店が多い。
定食屋など大衆食堂、大衆居酒屋、立ち呑み屋、たこ焼き屋などがその代表である。


「きてやこうて屋」(衣料品)、「よって屋」「うまい屋」(たこ焼き)、「よってこ家」(焼肉)、「らく屋」「てあて屋」(マッサージ)などがそれである。東京やその他の地域では、話し言葉上このような「や」の転換はあまり考えられないことである。

4.自分を堂々と卑下したネーミング。
この珍名の老舗的な「づぼらや」にはじまり、の「あほや」(たこ焼き屋)、「あほぼん寺」(居酒屋)、「宮本むなし」(定食屋)、「駄楽屋書房」や大阪発祥の「がんこ」(寿司ほか和食店)までがその系譜である。

5.大阪弁の挨拶言葉をそのままずばり店名にしたもの。
「どうも」「とりあえず」(定食屋)、「あんじょう」「よってこ」(立ち呑み屋)、「またきてや」(焼肉店)、「おたべや」(うどん屋)、「(世の中?)ぜにや」(居酒屋)などがその例である。

6.ちょっと大そうなネーミング。
ドッグ総合ショップの「ドッグアミューズメント・迎賓館」や英語の定冠詞を付した定食チェーン「ザ・めしや」、立ち呑みでありながら「銀座屋」があてはまろう。
もともと着倒れだった大阪に飽食のコンセプトを創り上げた老舗珍名店「くいだおれ」もこの範疇に入れてよい。

7.安易な語呂合わせネーミング店。
「とくや」(激安店)、「珍呑や」「たまり場」(居酒屋)など。

8.めちゃくどいネーミングの店。「ごはんやさん朝昼晩」「手羽小僧by小さいおっちゃんの店」


 小さいながらも目立ちゃええんや的な面が大阪では強いのだが、これで大店舗になったりチェーン店展開をするに至った店もある。「くいだおれ」「ずぼらや」「がんこ」「ザ・めしや」「宮本むなし」(日本一のご飯屋を目指す)がそうだ。





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最終更新日  2008年01月20日 21時18分38秒 コメント(2) | コメントを書く
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