ファレノプシス~幸福をあなたへ~

ファレノプシス~幸福をあなたへ~

『私』



私は何を望むの?

何もいらない。

何もほしくない。

こんな世界に用はない。

こんな世界、無くなってしまえばいい。

薄っぺらい。

湖の上に薄くはっている氷みたいな世界。

いっそのこと、

湖に落ちて沈んでしまえばいい。

ロマンチックじゃない?

湖の中の世界なんて・・・。

そして綺麗になるの。

汚れたモノを全て清めるの。

その綺麗な世界を汚す者なんて、

もうどこにもいない。

消えればいい。

みんな消えてしまえばいい。

そう思うのは、私だけ?

私はあなたと似てると思った。

あなたもそうだったでしょう?

誰も信じない。

今付き合っている人達とは上辺だけの付き合いだって。

そう思ってたはずでしょう?

地位も、

名誉も、

プライドも、

自分の感情全てを、

その心の奥に隠してしまったはずでしょう?

それでも、

あなたは結局自分を信じることが出来た。

なぜだかわかる?

あなたと私には、

違うところがあったからよ。

あなたには、あなたを信じてくれる人がいたわ。

私にはいなかった。

たったそれだけ。

たったそれだけのことで、

あなたは自分を取り戻した。

私には、とても出来ないわ。

だって私には、

本当の私なんて存在しないんだもの。

私はきっと、このまま変わることはないでしょう。

今親しくしている人達だって、

所詮、触れているのは体だけ。

心には、絶対に触れさせないわ。

触れようとするなら、

近づこうとするなら、

覗こうとするなら、

もういらない。

私は何を望むのかしら?

私は何がしたいのかしら?

私は私が解からない。

だって私は、

私だもの・・・。

        by雷覇


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