ファレノプシス~幸福をあなたへ~

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結婚秘話2


話終わって、フィリエルは小声で言った。目の前には、あきれかえった顔をした、アデイルとマリエがいる。
「それで・・・あなた本気で結婚しようなんて思ってないわよね?」
マリエが心配そうな声で言った。
「フィリエル、あなたは型破りの女王候補なのよ?その上にそんなことしたら・・・。」
「でも、レアンドラの言うことにも一理あるのよ。私、ルーンのこと放っておきすぎかしらって・・。」
「それとこれとは話が別よ!」
マリエが厳しく言った。
「よりにもよって結婚なんて!」
「でも・・・。」
「いいわ!やりましょう。」
今まで黙りこくっていたアデイルが、いきなり言ったので、二人はビックリして口を閉じた。
「ア、アデイル様。何をおっしゃっているのですか?」
「あら、私は本気よ。こんなに結婚を望んでいるんですもの。いいんじゃないの?」
「いや、別に望んでる訳じゃ・・・。」
果敢にも、反論したフィリエルだったが、アデイルの目が、キッとなったのを見て、押し黙った。
「し、しかし女王家は・・・。」
「結婚はできないって言うんでしょ!わかってるわよ。」
マリエの言葉を引き継いで、アデイルが言った。
「では・・・。」
「でも、あなた言ったじゃない。フィリエルは型破りの女王候補だって。一体いくつ掟を破ったと思っているの?もう、何も怖くないわよ!」
それからしばらくの間、アデイルとマリエの論争は続いたが、必死の抵抗もむなしく、マリエは敗北した。
「さぁ、どうする?」
「どうするって?」
意気込んで言うアデイルに、フィリエルは首をかしげた。
「・・・まさか、何も考えてないんじゃ・・・。」
アデイルが、信じられないといった顔で見た。
「だって・・・。考える暇がなくって・・・。」
「・・・まぁいいわ。」
アデイルの目が輝いたのを見て、フィリエルは嫌な予感がした。傍で、アデイルがブツブツ言い始めた。
「う~~・・・。ひらめいたわ!!」
「えっ?な、何を・・・・?」
恐る恐る聞くフィリエルに、アデイルは、笑顔で言った。
「ルーンには内緒でやりましょう!!」
「内緒って、どうやって・・・?」
「ウフフフフ。私にいい考えがあるわ!!」

                     3へ続く

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