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カテゴリ: 旅の話
「ポルトガル」と聞いて、リスボンという首都の名前や、歴史上でその国が果たした大きな役割のことはすぐに思いついても、

じゃあ何がある?
じゃあ何処へ行きたい?

・・・と考えて、サッカー選手とロカ岬の他、すぐには思いつかなかった私。

例えば、それが同じイベリア半島で隣り合っているスペインなら、行ってみたい街の名や訪れたい名所旧跡がいくつも思いつくのですが。

実際に訪れてみて、歴史や地理的条件が生み出した独特の文化が、今に息づいている姿に数多く触れることが出来ました。

中でも、建物や街並に多く使われている「アズレージョ」と呼ばれるタイルの装飾は、これまで訪れたヨーロッパの国々では見たことのないものでした。

それは、多くは青色の染付けで、大きなものではこのように建物の外壁を壁画のごとく飾っています。

【アヴェイロにて。この駅舎は見事なアズレージョで有名】
アヴェイロの駅舎



【同じくアヴェイロにて。カテドラルの外壁】
アヴェイロのカテドラル


このアヴェイロという街は、ヴェネツィアには遠く及ばないものの、街中を運河の水路が走っていて、モリセイロというゴンドラが浮かぶ様子が風物詩となっています。

アヴェイロのモリセイロ




よく見ると、古い家や教会の手描きで描かれたタイルと、いかにも「大量生産」という感じの、プリントされた感じがありあり出ている模様のものが混在しているのですが、それらを見比べながら歩くのもまた一興、でした。

【アヴェイロの街角】
アヴェイロの街角


アズレージョは、室内の装飾にもふんだんに使われています。

【コインブラのサンタクララ修道院にて】
サンタクララ修道院(コインブラ)


【シントラの王宮の広間。ここは天井の細工も見事でした】
シントラ宮


タイル細工が発展したのは、イベリア半島をかつて支配していたイスラムの影響はもちろん、オランダや中国・日本といった、交易を通して陶磁器の生産が盛んな国々とのつながりが生まれたことに由来するようです。

その流れの一端なのか、ポルトガルではどの街でも、石畳が様々な白と黒のモザイク模様になっていて、見比べてみるのも楽しかったです。
海沿いの街では、蟹や貝や魚など、海産物の絵で舗道が埋め尽くされていたりしました(笑)

【リスボンで一番の目抜き通り、リベルターデ大通りにて。】
リベルターデ大通り(リスボン)


アズレージョと並んで、ポルトガルの建築で独特なのが「マヌエル様式」と呼ばれる装飾。

「マヌエル」というのは、ヴァスコ・ダ・ガマがインド航路を発見し、ポルトガルが海洋国として栄華を極めた時代を治めた国王、マヌエル1世を指します。

という訳で、大航海時代のエッセンスを凝縮するかのごとく、異国の動植物とか、ロープや碇といった船にまつわるモチーフを意匠化した細工で、とにかく飾る!飾る!

【世界遺産、リスボン・聖ジェロニモス修道院の回廊】
聖ジェロニモス修道院


侘び寂びの美を重んじる国から来た身としては、正直「もうカンベンしてください」という気もしないではなかったのですが(欧州を旅すると、必ずこういう“目の消化不良”を起こしてしまう私・・・)。
それでも、500年以上前に、これだけのものを築き上げて神に捧げた、その偉業にはひたすら敬服するばかりでした。

その一方で、ありふれた街角にふと現れる建物に、思わず足を止めずにいられない素敵な趣きがあったりして。


【コインブラの広場で見かけた、小さなホテル。】
コインブラの街角


この屋上の雰囲気、まるでウォン・カーウァイの映画 「2046」 に出てきそう・・・





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最終更新日  2007.04.21 00:22:46
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