ミステリの部屋

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2005年10月19日
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いいものを読んだなぁ、という幸せな気分になりました。

五つの短編集、けれども著者の言葉通り
“短編集のふりをした長編小説”



五つの話は、大学生の鴨居、家裁調査官の武藤、優子、全盲の永瀬
とそれぞれ違う人物の一人称で書かれています。
あ、“バンク”は鴨居視点の三人称でした。

けれども、どの話にも出て来る陣内という脇役がいます。
破天荒という言葉があてはまる珍しい男。
子供のように言いたいことを言ったかと思えば、すぐに前言をひるがえしてけろっとしている、ちゃらんぽらんなのに真っ当なことを堂々と主張する、

いうなれば最強の脇役です。

“バンク”で起こった大事件の真っ只中で、大学生の陣内と鴨居は盲導犬ベスを連れた永瀬と出会います。
永瀬は生まれつき目が見えないが、五感が鋭く、冷静に真実をみきわめる力を持っています。自然体で生きる魅力的な人物です。
優子はその彼女です。

“チルドレン”では10年後、なんと陣内が家裁調査官になっていて、武藤はごく普通の同僚です。その普通さ加減がとても好ましい人物です。

このように、時系列はあちこちとびます。
時は違い、人も違い、色々な見方で陣内は語られます。
一つ一つの話も面白くて、それぞれにどんでんがえしがありますが、
最後まで続けて読むと、うまい着地の仕方をしています。
もう、気分爽快です。

主な登場人物がみんないい人なんですが、それが不自然ではありません。


読んでいない人には是非おすすめします。



チルドレン  チルドレン :伊坂幸太郎


チルドレン : 伊坂幸太郎  2007年5月文庫版が発売になりました







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最終更新日  2005年10月19日 21時44分14秒
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