ミステリの部屋

ミステリの部屋

2005年10月24日
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カテゴリ: 海外ミステリ
舞台は第一次大戦から10年を経たイギリス。
主人公である女探偵メイジー・ダブズが、ロンドンに探偵事務所を開くところから、話は始まります。

最初の依頼人は、妻の浮気を心配する中年の男性でした。
メイジーが妻を尾行し調査するうちに、彼女が毎週寂しい墓地を訪れていることがわかります。
彼女が花を供えて、そこに向かって涙を流す墓には、苗字がありませんでした。
名前だけが記された墓の謎は、メイジー自身の過去を掘り起こすものでした。


彼女は貧しい生まれながら、自分自身の才能と努力によって、メイドから大学生、看護婦、そして探偵と、道を切り開いて生きてきました。
それは、才能あるものに学問の機会を与えようとする、雇い主のレディ・ローワンはじめ、周囲の優しい人々の理解と援助があってのことでした。

それだけなら、一少女が階級を越えて成功するという夢物語となったかもしれません。


迫りくる戦争のために大学を休学したメイジーは、年齢を偽って看護婦に志願し、フランスの野戦病院で働きます。

この先を読んで感じるのは、戦争がもたらすものは、敵味方に関わらず、悲しみと苦悩だけだということです。

完璧すぎて面白みがないくらいに見えたメイジーですが、実は身体にも心にも癒えない傷があり、逃げることしかできなかったつらい過去があることがわかります。

名前だけの墓。
戦傷者がすごすリトリートという施設。
調査を進めるうちに、浮かび上がる軍隊の非情さと悲惨な後遺症。

暗いテーマを扱いながら、親孝行で、明るく賢い主人公と、周囲の魅力的な登場人物のおかげで、この話は明るく希望の持てる展開となっています。

この作品は、アガサ賞・マカヴィティ賞の最優秀新人賞をダブル受賞しました。
今回はメイジー自身のことが主に語られることになりましたが、次回作では探偵としての活躍にも期待できそうです。

二作目は「Birds of a feather」と言う題名で、既に発表されています。
今調べてみたら、この作品は今年、アガサ賞・最優秀長篇賞を受賞していました。



夜明けのメイジー  夜明けのメイジー : ジャクリーン・ウィンスピア 










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最終更新日  2005年10月24日 18時15分53秒
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こんにちは!  
amuamu さん
たびたびお邪魔しています!さみあどさんは、本当に幅広くお読みになっていて頭が下がります。これまで、本屋にぶらりと入って、嗅覚をたよりに好みの本を探していた私ですが、さみあどさんを水先案内人にすれば確かな読書ライフを送れそう!!
この「夜明けのメイジー」表紙見ますとちょっと引きます^_^; こちらの案内なしでは手に取らないかも…でも、面白そうですよね!今度読んでみようっと。
ただ、さみあどさんのご案内で困ったのは、読むのが追いつかないことです!次々食指ばかりうごきます。 (2005年10月25日 13時40分05秒)

Re:こんにちは!(10/24)  
samiado  さん
amuamuさん、こんにちは!
またきていただいて、うれしいです♪

>たびたびお邪魔しています!さみあどさんは、本当に幅広くお読みになっていて頭が下がります。これまで、本屋にぶらりと入って、嗅覚をたよりに好みの本を探していた私ですが、さみあどさんを水先案内人にすれば確かな読書ライフを送れそう!!

有難うございます~。最大級のほめことばです。
すごく励みになります。

>この「夜明けのメイジー」表紙見ますとちょっと引きます^_^; こちらの案内なしでは手に取らないかも…でも、面白そうですよね!今度読んでみようっと。
>ただ、さみあどさんのご案内で困ったのは、読むのが追いつかないことです!次々食指ばかりうごきます。

表紙だけ見ると、少女漫画みたいですよね。
引くのも分かりますw
この本は偶然見つけたんですが、かねてからアガサ賞とマカビティ賞とは相性がいいので、今回、ダブル受賞ならば間違いないはず、と読んで見たわけです。
結果、感動しました。

ミステリが好きで乱読しているだけですが、これからも楽しい読書のきっかけとしていただければ幸いです♪

(2005年10月25日 18時23分23秒)

夜明けのメイジー  
くみたん さん
夜明けのメイジー読みました。メイジーかっこいいです。メイド、大学生、従軍看護婦をへて、探偵へと、戦争という傷跡ののこるロンドンで自分の道をきりひらいていく、いつも前向きなメイジーに元気づけられます。メイジーの中にも戦争の傷はありますが、それをのりこえていく主人公に好感がもてます。
(2005年11月14日 18時09分48秒)

Re:夜明けのメイジー(10/24)  
samiado  さん
くみたんさん、こんばんは!

>夜明けのメイジー読みました。メイジーかっこいいです。メイド、大学生、従軍看護婦をへて、探偵へと、戦争という傷跡ののこるロンドンで自分の道をきりひらいていく、いつも前向きなメイジーに元気づけられます。メイジーの中にも戦争の傷はありますが、それをのりこえていく主人公に好感がもてます。

読まれたんですね。

私もメイジーがついにつらい過去と向き合うところでは目頭が熱くなりました。

ドナ・アンドリューズ、ローラ・リップマン、マーガレット・マロン、スジャータ・マッシーを押さえてアガサ賞を受賞したという続編を早く読みたいものです。
(2005年11月14日 18時51分08秒)

ふたたびお邪魔します  
あむあむ108  さん
こんにちは。
今日、注文したこの本が届いたところなんです。2ヶ月あまり気になっていたあとなので、ものすごく期待して読み始めます!
TBもさせていただきました。 (2006年01月12日 18時03分08秒)

Re:ふたたびお邪魔します(10/24)  
samiado  さん
あむあむ108さん、こんばんは!

>今日、注文したこの本が届いたところなんです。2ヶ月あまり気になっていたあとなので、ものすごく期待して読み始めます!

そこまで期待していただいてうれしいんですけど、同時にドキドキしますね。

時代は「アンの娘リラ」と同じ頃、こんな時だからこそ女性たちは優しく強く生きようと一生懸命だったんですね。

この物語が気にいっていただけたらいいな、と思います。
(2006年01月12日 21時32分09秒)

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