ミステリの部屋

ミステリの部屋

2005年11月13日
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カテゴリ: 日本ミステリ
これはミステリーランドの中の一冊です。

講談社ミステリーランドは、本の復権(ルネッサンス)を願い、かつて子どもだった大人と少年少女のために刊行。全巻書き下ろしで3ヶ月ごとに配本予定、とあります。

私がミステリーランドの作品を読むのは」有栖川有栖さんの「虹果て村の秘密」に次いで2作目です。


舞台はフランスのカトリック教団によって創設された聖ミレイユ学園。
初めは私の好きな学園物だと思って読んでいたのですが、神父さんが雷に打たれて死んだ頃から、異様な雰囲気になってきます。

ウォーレン神父は校庭の真ん中で落雷に遭って焼け死に、さらにベルイマン神父が密室と化したサンルームで、人体自然発火としか考えられない無残な焼死体となって発見されます。

「汎虚学研究会」はみんなからキョガクの連中とよばれています。ちょっと浮世離れしたメンバー四人は、ベルイマン神父の死は殺人に違いないと考えて学園内を調べ始めます。

部長である僕、室井環は夜ごと見る、狂った赤い馬の悪夢でそれどころじゃないのですが…。


これは子供向きではないのでは……?



思春期の子供たちが集まる寮の、息が苦しくなるような閉鎖感も伝わってきて、学園のアイドル的美少年の存在から、殺人の動機もおおよそ予想されます。
暗いですね。
殺人トリックにはちょっと無理があるように思いますが、これも思い浮かべると空恐ろしい情景です。

この作品に漂う、耽美ともいえる雰囲気、ダークな雰囲気に飲みこまれました。

闇のなかの赤い馬  闇のなかの赤い馬 : 竹本健治

この表紙も結構怖いですね。









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最終更新日  2005年11月13日 23時32分13秒
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