ミステリの部屋

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2005年12月09日
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たばさ6992さんのところにおじゃましたときに、碧井壱護さん に紹介していただいた作品です。

佐伯泰英さんの作品は読んだことがなかったのですが、文句なく面白いです。



ある日、唯一の肉親であるしほの父が、橘の鉢をめぐって口論となり斬殺されるという事件が起きる。相手の御家人は特にお構いなしとなった上、事件の原因となった橘の鉢を売り物に商売を始めるらしい……。
人々の人情味あふれる交流を通じて、江戸の町に繰り広げられる事件の数々を描く連作時代長篇。


仇討ち/逢引き/神隠し/板の間荒らし/密会船強盗/火付泥棒

これは時代小説ながら、私の好きな青春物とも言えます。
しほはけなげで明るい働き者の娘ですが、彼女を慕う三人の幼なじみ、19歳の男の子達も真っ直ぐでいい子たちです。仲良しだけどライバルという微笑ましい関係です。

捕り物の中心にどんと構えている金座裏の宗五郎親分がただものではないです。威厳があってかっこよく人情味あふれていて……。

最初の「仇討ち」はエピローグのようなものですが、あとの話は宗五郎親分の縄張りで起きた事件一つ一つにしほ達が関わりながら解決していくというパターンになっています。

ただし、全体を通じて少しずつ解明されていく事件があります。
それが、しほの両親が身元を偽って生きてきたことの秘密に関わるものです。ついには川越藩の不正に関することまで浮かびあがってきます。


読み始めると時間を忘れて夢中になること間違いなしです。



橘花の仇 鎌倉河岸捕物控 橘花の仇 : 佐伯泰英








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最終更新日  2005年12月09日 23時41分25秒
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