ミステリの部屋

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2008年03月17日
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たばさ6992さん のお友達に教えていただいたのが、この鎌倉河岸捕物控シリーズでした。

しばらく間があきましたが、ちゃんと読み続けています。



将軍家斉も臨席する御能拝見に会わせるかのごとき不穏な企みが見え隠れするのだが……。
鎌倉河岸捕物控シリーズ第五弾。
(出版社より)


金座裏の宗五郎一家の捕り物を中心に、鎌倉河岸に住む人々を描いたこのシリーズは、亮吉、彦四郎、政次、しほ、という4人の若者の成長を描いた青春物語でもあります。

これまで4人それぞれにスポットライトがあてられてきましたが、今回は宗五郎親分が活躍します。
のっけから怪しい武士に命を狙われるのですから。

全体を通してひとつの大きな事件が描かれ、その間にいくつかの小さな事件が横糸を通すように描かれるという仕組みはいつもの通り。

今回は古町町人が次々に襲われるというのが大きな事件です。
古町町人というのは、徳川幕府が開かれたころから江戸に住み始めた者達のことで、いろいろと特権が与えられていたようです。



将軍徳川家斉の前で不祥事を起こすわけにはいかない、ということで、何としても御能拝見までに犯人を捕まえなければならないのです。

いよいよ御能拝見の日が来てしまうので、どうなることかと思いながらも、入場者一人一人に傘を配るというところに興味を引かれました。
野外で、雨が降ってきたときのために配られ始めたらしいのですが、野外コンサートで配られるリストバンドのような役目を果たすのかもしれない、と思いました。


松坂屋の手代から金座裏の手先となった政次を、子供が居ない宗五郎は後継ぎにしたいという思惑があるのです。
最後に、命をかけて政次に覚悟を問う姿が、何ともかっこよかったです。

大人がこんなかっこいい後ろ姿を見せられたら、若い者もしっかり育つだろうなぁ、と思いました。


読み始めるとやめられないので、続けて6作目の『引札屋おもん』も読むことにします。





古町殺し:佐伯 泰英







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最終更新日  2008年03月17日 19時07分42秒
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