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2010年11月28日
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カテゴリ: 韓国関連



 日本陸軍は奉天での決戦が最後の大勝負と位置づけ、主力の第1・2・4軍と後備師団、それに旅順を落としたばかりの第3軍まで投入し大勝負に出た。
 ロシア軍31万名と日本軍25万名の激突である。


 結果は膠着状態だった戦況の中、日本陸軍がとった陽動作戦にロシア軍があわて、またクロパトキン将軍の判断ミスも重なり日本軍が薄氷の勝利を得た。


 そのころ向井文次郎は日本に呼びかえされ、明治政府の朝鮮半島担当者の斉藤実と向かい合っていた。

「向井殿、貴殿は朝鮮半島に40年近く在住し、彼の地のことは一番詳しいであろう」
「はい、彼らとは長く苦楽を共にしてまいりました」

「今政府では朝鮮半島をどのように管理していくのがいいのか、意見が分かれておる」
「管理・・・ですか?」


「意見が分かれているとは?」

「予断を与えてはいかん、向井殿の意見をまず聞こう」
「それでは・・・」


 向井文次郎は白髪まじりのひげを撫でながら少し考えて話し始めた。

「朝鮮は私が行った頃に比べ民心は安定し、日本の援助でインフラ整備も進み、特に医療衛生面で特段の進化を遂げております」
「ふむ」

「農業面でも河川や治山の効果が現れ、洪水や日照り対策も大きく進化しております。このまま朝鮮人に自治を任せ、今まで通り我が国は足りない所にそっと手を差し伸べるという姿勢でいいのではと思います」
「このままか?」

「はい」
「では、日本はどこまで関わればいい?」


「朝鮮人の本格的な政府を築き、日本人は政府顧問の立場で助言していけばいいと考えます。まだまだ教育面での整備が遅れておりますので、学校建設や教師の派遣、教師養成などが急務です」


「今の体制を維持しながら朝鮮人を日本に派遣し、朝鮮人士官の養成を行うべきだと考えます」
「今のままと言うと、黒木大佐に任せると言う事か?」

「はい、その通りです。彼の朝鮮兵に対する軍事教練は定評があります、日本兵朝鮮兵分け隔て無く接する態度も朝鮮兵の士気を高めて教練の習熟度が効率的に進んでいる理由でもあります」
「そうか、なるほどな」


 斉藤実は机から書類を取り出し、向井文次郎に示した。


「ちょっと拝見します」


 向井文次郎は30ページ渡る文章をじっくり読み始めた。

 書類には朝鮮半島を自主独立の国とし、日本との同盟国として支援しながら交通の自由などを担保し、満州への陸路を確保していく案であった。

 伊藤博文の計画には朝鮮半島の工業化への支援を行う事は書かれていたが、植民地化することには反対していた。
 理由として一番大きな物は資金面である。

 日本国内のインフラ整備や工業化や効率的な農業を行うための治山治水なども完全に出来ていない現状の中、朝鮮半島に必要な整備の資金を投入する事は不可能である、との結論になっていた。


「私も伊藤博文閣下のお考えに賛成です・・・と言いますか、伊藤閣下の慧眼に敬服いたします」
「そうか?」

「はい、彼の国は今まで長い間清の属国でありました。やっと大朝鮮国として国としての体裁を整えたばかりです。500年以上にわたって放置され続けてきた山や川、野放図に木が伐採され禿山だらけです。ここの植林して山を甦らせるだけでも長い年月と莫大な費用がかかります・・・それに朝鮮人全体への教育も必要です、まず身分制度を完全撤廃し朝鮮人全体の文盲率を下げる事から始めないと、何を始めても無駄です」
「私もそう思う、ところがだ・・・そう考える役人ばかりではないのだ」


「といいますと?」
「うむ、以前あった征韓論を持ち出し、朝鮮半島を日本にしてしまえと言う話も出てきている、主に薩摩出身者に多いのだがな」

「というと大久保閣下ですか?」
「・・・いや、誰とは言わん。伊藤閣下と同等の力を持っている方が中心になって朝鮮半島を日本の植民地にして満州につなげ、混乱している中国をも手に入れる足がかりにしたいと考えているのじゃ」

「そうですか?・・・」
「そこでだ、向井殿」

「はい」
「お主の考えはよく分かった、これから伊藤閣下にお会いして帝国議会で意見を言ってくれんか?」

「えっ?帝国議会ですか?・・・そして伊藤閣下と会う?・・・いやいや私には無理です」
「いや、お主のような朝鮮半島に詳しい者が説明する必要がある」





つづく











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Last updated  2010年11月28日 16時08分40秒 コメント(6) | コメントを書く


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