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日蓮正宗宗規(2)
第九章 住職及び主管
第百七十七条 寺院に住職を、教会に主管を置く。
2 住職及び主管は、寺院又は教会を管掌して、財産を管理し、法要儀式を執行し、檀信徒を教化育成し、在勤僧侶及び寺族を教導し、寺院又は教会の興隆発展に努めるとともに、その責めに任ずる。
3 住職及び主管は、その職務の遂行にあたり、管長の嚮導(きょうどう)を遵奉(じゅんぽう)し、宗務院の命令及び通達に従い、本宗の法規及び寺院又は教会の規則を遵守しなければならない。
第百七十八条 住職及び主管は、善良なる管理者の注意義務をもって、寺院又は教会の運営にあたらなければならない。
2 住職及び主管は、寺院又は教会を営利の目的、その他の寺院又は教会に相応しくない目的に使用してはならない。
第百七十九条 寺院又は教会において特別の事情があるときは、寺院にあっては副住職を、教会にあっては副主管を置くことができる。
2 副住職又は副主管を置くときは、当該寺院の住職又は教会の主管が教師のうちから選定し、管長の承認を受けなければならない。但し、副住職及び副主管は、他の寺院の住職又は教会の主管であることができない。
3 副住職及び副主管は、住職又は主管の指示により事務を処理する。
第百八十条 住職、主管及びそれらの代務者は教師のうちから、事務取扱者は二等学衆以上の非教師のうちから管長がこれを任免する。
2 管長は、宗務上必要と認めるときは、住職、主管及びそれらの代務者並びに事務取扱者を免ずることができる。
第百八十一条 次に掲げる各号の一に該当する者は、住職又は主管及びそれらの代務者となることができない。
一 心身に著しい障害を有し、その職に堪えない者
二 懲戒処分により罷免せられ、未だ特赦されない者
三 後見開始又は保佐開始の審判を受けた者
四 破産の宣告を受け、未だ復権しない者
五 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又は執行を受けることがなくなるまでの者
第百八十二条 総本山大石寺の住職は、法主をもってこれに充てる。
第百八十三条 寺院の住職又は教会の主管に充てる教師の僧階は、次の通りとする。
一 本山
権大僧正乃至権僧都
二 由緒寺院・一般寺院・教会
2 総本山の坊、本山の坊並びに外国の寺院及び教会の住職又は主管については、僧階の制限を定めない。
第百八十四条 寺院又は教会において、やむを得ない事由があるときは、一級に限り前条第一号又は第二号の規定に相当しない教師をもって、住職又は主管に充てることができる。
2 寺院又は教会の等級を改訂する場合は、現に当該寺院の住職又は教会の主管である者については、前条の僧階制限の規定を適用しないものとする。
第百八十五条 住職又は主管が辞任しようとするときは、その事由を具して管長に願い出なければならない。
第百八十六条 住職又は主管が辞任、死亡その他の事由によって欠けたときは、三十日以内に後任の住職又は主管を任命するものとする。
第百八十七条 管長は、住職又は主管に二以上の寺院又は教会の住職又は主管を兼ねさせることができる。
2 兼務の住職又は主管を置く寺院又は教会には、事務取扱者を置くことができる。
3 前項の事務取扱者は、兼務の住職又は主管の事務を代行する。
第百八十八条 管長の任命した住職又は主管及びそれらの代務者に対しては、いかなる者もこれを拒否することができない。
第百八十九条 兼務の住職又は主管は、次に掲げる各号の一に該当するときは、その地位を失う。
一 住職又は主管が就任したとき。
二 本務の住職又は主管の地位を失ったとき。
第百九十条 次の各号の一に該当するときは、代務者を置かなければならない。
一 住職又は主管が辞任、死亡その他の事由に因って欠けた場合において、一月以内にその後任者を任命することができないとき。
二 住職又は主管が病気、旅行その他の事由に因って三月以上その職務を行なうことができないとき。
2 住職又は主管の代務者は、住職又は主管に代わってその職務の全部を行なう。
第百九十一条 代務者は、その置くべき事由がやんだときは、当然に退職する。
第百九十二条 住職又は主管及びそれらの代務者は、辞令を受けた日より十四日以内に赴任しなければならない。
第百九十三条 宗費賦課金を滞納すること一年に及んだ者は、住職又は主管及びそれらの代務者となることができない。
第十章 僧侶及び教師
第一節 得度
第百九十四条 得度は、本宗の教義を信奉して、僧侶となることを管長から許可された者に対して行なわれる。
第百九十五条 次に掲げる者は、得度することができない。
一 年令十一歳未満の者及び五十七歳以上の者
二 後見開始又は保佐開始の審判を受けた者
三 破産の宣告を受けて未だ復権しない者
四 国法を犯して刑に処せられ、僧侶として適格でない者
第二節 僧侶
第百九十六条 僧侶とは、得度して僧籍を登録され、度牒を受けた者をいう。
第百九十七条 僧侶の称号を次の通り定める。
一 上人号 法主、前法主及び法主の免許した者に対する敬称
二 院号 権大僧正、僧正、権僧正及び法主の免許した者の称号
三 阿闍梨号 権僧都以上にして法主の免許した者の称号
四 房号 教師の称号
第百九十八条 僧侶は、教師となったときは道号に、権僧正に補任されたときは日号に改名しなければならない。
第百九十九条 僧侶は、本分をおかさない限り、総監の認許を得て世務につくことができる。但し、禁厭占術等をすることはできない。
第二百条 教師は、教典の註釈、教義に関する著述、その他布教に関する著作をすることができる。但し、これらを出版する場合はあらかじめ宗務院の許可を受けなければならない。また、定期の出版物は宗務院に届出るものとする。
第二百一条 非教師にして師僧が死亡その他の事由により僧籍を失った場合は、三月以内に新たに師僧を定め、師僧変更届を宗務支院を経て宗務院に提出しなければならない。
第二百二条 非教師にして次に掲げる各号の一に該当する者は、懲戒の手続きによらずして当然に僧籍を失う。
一 師僧が死亡その他の事由によって欠けた後、三月以内に師僧変更届を提出しない者
二 師僧より離弟せられた者
三 正当の理由なく、行学講習会に欠席すること三期に及ぶ者
第三節 教師
第二百三条 教師とは、権訓導以上に叙任された者をいう。
第二百四条 次に掲げる各号の一に該当する者は、教師となることができない。
一 二十歳未満の者
二 得度後七年を経過しない者
三 行学講習会の全課程を修了しない者
四 品行不良の者
第二百五条 富士学林大学科を卒業した後、総本山に一年以上在勤した者は、講師に補任する。但し、事情によっては在勤日数通算によることもできる。
2 高等学校卒業又は高等学校卒業と同等以上の資格を有し、総本山に一年以上在勤した者は、訓導に補任する。但し、事情によっては在勤日数通算によることもできる。
3 権訓導は、高等学校を卒業しない者又は高等学校卒業と同等以上の資格を有しない者で、総本山に一年以上在勤した者にかぎる。
第二百六条 宗務院の命により一般大学を卒業した者は、富士学林大学科を卒業したものとみなす。
第二百七条 教師にして、住職、主管及びそれらの代務者、副住職又は副主管の職にない者を無任所教師と称する。
2 宗務院は、無任所教師に対し、期間を限って寺院又は教会への在勤を命ずることができる。但し、その期限にかかわらず随時に在勤命令を解除することができる。
3 無任所教師にして寺院又は教会に在勤を命ぜられた者を在勤教師という。
4 在勤教師は、住職又は主管の指導監督のもと、寺務に従事する。
第四節 僧階
第二百八条 僧侶の等級を僧階という。
2 教師の僧階を次の十三級とし、第四級以上を能化と称する。
3 非教師の僧階を次の四級とする。
第二百九条 教師の僧階を昇級せしめるのは年功又は功労褒賞とする。
2 法主となった者は、いかなる手続きも要せず、直ちに大僧正に昇級する。
第二百十条 年功により教師の僧階を昇級せしめる場合は、権大僧都、僧都、権僧都の者にあっては五年以上、大講師、講師、少講師の者にあっては四年以上、訓導の者にあっては三年以上、権訓導の者にあっては五年以上の期間を経過しなければならない。
第二百十一条 功労褒賞により僧階を昇級せしめる場合は、前条の期間の二分の一以上を経過しなければならない。
第二百十二条 宗費賦課金の滞納一年に及ぶ者及び教師補任式を行なわない者は、教師の僧階を昇級することができない。
第五節 能化検定試験
第二百十三条 権僧正昇級の試験を能化検定試験と称し、管長の命によって行なう。
2 前項の検定は、管長又は管長の任命した委員がこれに当たる。
第六節 僧侶の養成
第二百十四条 住職又は主管は、応分の徒弟を養成する。
第二百十五条 僧侶の養成と宗義研鑚の道場として、東京都内に法教院を置く。
2 法教院には、その維持管理のために担任教師を置き、教師のうちから管長が任免する。
第二百十六条 僧侶の宗学研鑚行学増進に資するため、毎年総本山において講習会を行なう。
2 教師を対象とする講習会を教師講習会という。
3 非教師を対象とする講習会を行学講習会という。
第七節 服制及び資具
第二百十七条 僧侶の服制及び資具は次の通りとする。但し、管長の免許した者はこの限りでない。
2 鍵役は、本指貫を使用することができる。
第二百十八条 袈裟は、白色五条、法衣は薄墨色とする。
2 数珠は、円形百八顆を具え、房は白色に限る。但し、非教師及び在家は紐房を用いる。
第八節 席次
第二百十九条 僧侶の法席順位は、その僧階の順序による。
2 学頭の法席は、僧階によらず、権大僧正の最上位とする。
3 総監の法席は、僧階によらず、学頭の次席とする。
4 重役の法席は、僧階によらず、総監の次席とする。
5 宗会議長の法席は、僧階によらず、能化の者にあっては重役の次席とし、能化以外の者にあっては能化の次席とする。
第十一章 檀信徒
第二百二十条 檀信徒とは、本宗の教義を信奉し、寺院又は教会に所属して、葬祭追福を依託し、総本山及び所属の寺院又は教会の永続護持に努める者をいう。
第二百二十一条 寺院及び教会には、宗務院所定の檀信徒名簿を備え付け、住職又は主管において、檀信徒の氏名、住所その他必要事項を記載するものとし、これを檀信徒登録という。
2 檀信徒名簿の登録を抹消することを除籍といい、除籍された者は、檀信徒としての資格を失う。
3 檀信徒名簿は非公開とし、住職又は主管において適正に管理しなければならない。また、宗務院より檀信徒名簿の提出を求められたときは、本書又は謄本を提出するものとする。
第二百二十二条 檀信徒は、所属する寺院又は教会から他へ移籍しようとするときは、移籍前及び移籍先の寺院の住職又は教会の主管の承認を受けなければならない。
2 前項の移籍につき、当事者間において紛議が生じたときは、宗務院において調停又は裁定することができる。
第二百二十三条 檀信徒は、死亡したとき、又は次の各号の一に該当したときは、その資格を喪失し、除籍される。
一 自ら離檀又は離宗を申し出たとき。
二 本宗以外の宗教団体に所属したとき。
三 第二百四十六条の規定により除名されたとき。
2 住職又は主管は、所属の檀信徒が本宗の信仰を失い、退転したことが明白に認められる場合は、総監の承認を得て、その者を除籍することができる。
第十二章 褒賞及び懲戒
第一節 褒賞及びその方法
第二百二十四条 僧侶及び檀信徒の善行に対しては、褒賞を行なう。
第二百二十五条 僧侶に対する褒賞は、次の五種と定める。
一 特典 大漫茶羅の授与
二 昇格 上人号、院号又は阿闍梨号の免許
三 昇級 僧階の昇級
四 物品授与 袈裟、法衣等の授与
五 褒詞 賞状の授与
第二百二十六条 檀信徒に対する褒賞は、次の四種と定める。
一 大漫茶羅授与
二 日号授与
三 物品授与
四 褒詞
第二百二十七条 僧侶にして次に掲げる各号の一に該当する者には、褒賞を行なう。
一 国家又は社会人類に対して、福祉増進の功顕著な者
二 公共又は宗門の事業に裨益(ひえき)した者
三 宗義を宣揚すべき一大著述をした者
四 学術又は徳行が世の模範となる者
五 堂宇又は会堂を新築し、その他寺院又は教会の永続維持の方法を確立した者
第二百二十八条 僧侶にして次に掲げる各号の一に該当する者には、第二百二十五条第一二号乃至第五号の褒賞を行なう。但し、本条により既に褒賞せられた者、又はその功績著大な者に対しては、同条第二号乃至第五号の褒賞を行なう。
一 寺院又は教会を新設又は復興した者
二 本堂又は庫裡を新築した者
三 多年学林の教授に従事し、功労のあった者
四 檀信徒の教化に特別の功績のあった者
五 多年宗務及び布教伝道に尽力して功労のある者
第二百二十九条 僧侶又は檀信徒にして、次に掲げる各号の一に該当する者に対しては、僧侶にあっては物品を授与し、檀信徒にあっては、日号又は物品を授与し、その功特に著しい者には、大漫茶羅を授与する。
一 寺院又は教会の新設、新築又は改築等のため特別の尽力をなし、又は多額の浄財を喜捨した者
二 浄財又は不動産を喜捨し、宗門永遠の基礎の確立に功労のあった者
三 宗学生のため浄財を喜捨し、徒弟の養成を助けた者
第二百三十条 僧侶又は檀信徒にして、次に掲げる各号の一に該当する者には褒詞を授与する。
一 興学又は布教に勉励した者
二 信行如法にして、堅く本宗の法規を遵守した者
三 徳行優れ、他の模範となる者
第二百三十一条 宗務支院長は、その布教区管内の僧侶又は檀信徒に次に掲げる各号の一に該当する事由があると認めるときは、その者の氏名及び事績又は行状を管長に具申することができる。
一 僧侶の褒賞又は懲戒
二 檀信徒の褒賞
第二百三十二条 褒賞を行なうべき善行がある者でも、他に懲戒すべき非行があるときは褒賞を行なわない。
第二節 僧侶に対する懲戒
第二百三十三条 僧侶に対する懲戒は、次の六種と定める。
一 譴責 罪科を明記した宣誡状をもって叱責する、
二 停権 二年以内の期間を限り、役職員への就任並びに選挙権及び被選挙権を停止する。
三 降級 僧階を一級乃至三級降す。
四 罷免 住職又は主管の職を罷免する。
五 奪階 現僧階を剥奪し、沙弥に降す。
六 擯斥(ひんせき) 本宗より擯斥し、僧籍を削除する。
第二百三十四条 次の各号の一に該当する者は、擯斥に処する。
一 法主の権限なくして本尊を書写し又は日号を授与した者
二 教義上の異説を唱え又は信仰の改変を企て、訓戒を受けても改めない者
三 管長を誹謗又は讒謗(ざんぼう)し、訓戒を受けても改めない者
四 住職、主管又はそれらの代務者の赴任の際、これを妨害し又は寺院若しくは教会の財産の引継ぎをしない者
第二百三十五条 次の各号の一に該当する者は、その情状に応じて、第二百三十三条各号に定めるいずれかの懲戒に処する。
一 本宗の法規又は寺院若しくは教会の規則に違反した者
二 本宗、寺院又は教会の秩序を乱し又はその信用を害した者
三 正当な理由なく宗務院の命令に従わない者
四 宗内の選挙に関し、本宗の法規に違反し又は不正の行為をなした者
五 住職、主管又はそれらの代務者として職務に違背し又はこれを懈怠した者
六 本宗僧侶としての品位を失うべき非行を犯した者
七 その他本宗僧侶として相応しくない言動をした者
第二百三十六条 僧侶に対する懲戒は、総監において事実の審査を遂げ、参議会の諮問及び責任役員会の議決を経てこれを行なう。
第二百三十七条 懲戒は、管長の名をもって宣告書を作り、懲戒の事由及び証拠を明示し、懲戒条規適用の理由を付して行なう。
第二百三十八条 懲戒処分は、次の各号のいずれかによって効力を発する。
一 書面による本人への通告
二 掲示場への掲示
三 本宗の機関紙への公告
第二百三十九条 懲戒に処せられた者にしてその処分を不服とするときは、宗規の定める手続きに従い、書面をもって監正会に不服を申立てることができる。
第二百四十条 役職員、参議又は宗会議員にして、停権以上の懲戒に処せられたときは、免職の手続きを為さずしてその職を失う。但し、懲戒処分を取消されたときは、復職できるものとする。
第二百四十一条 住職又は主管にして、降級に処せられたため、寺院又は教会の等級相当の資格に異動があったときは、一級に限り事情によって住職又は主管の資格を管長において認めることができる。
第二百四十二条 管長は、懲戒に処すべき行為がある者でも情状酌量の余地があり改俊の情が著しいと認めるときは、期間を付して懲戒処分の執行を猶予することができる。
第二百四十三条 管長は、懲戒に処せられた者で改俊の情が著しいと認めるときは、情状を酌量して、その懲戒を軽減し、又は特赦することができる。但し、第二百四十四条又は第二百四十五条に定める期間を経過しなければこれを行なうことができない。
第二百四十四条 懲戒に処せられた後、次の期間を経過しない者については、懲戒の軽減又は特赦、復級又は復権を行なうことができない。
一 擯斥に処せられた者 五年
二 奪階に処せられた者 三年
三 罷免に処せられた者 二年
四 降級に処せられた者 一年
五 停権に処せられた者 期間の二分の一
第二百四十五条 次の場合においては、前条に定める期間の二分の一を経過した者につき、懲戒の軽減又は特赦、復級又は復権を行なうことができる。
一 本宗の重大な慶弔に際したとき。
二 国家の慶弔に際したとき。
第三節 檀信徒に対する懲戒
第二百四十六条 住職又は主管は、所属の檀信徒が次の各号の一に該当するときは、総監の承認を得て、除名に処することができる。
一 教義上の異説を唱え、又は信仰の改変を企てたとき。
二 管長その他の本宗の僧侶又は寺族を誹毀又は讒謗したとき。
三 本宗の法規又は寺院若しくは教会の規則に違反したとき。
四 管長その他の本宗の僧侶又は寺族に対し、その職務を妨げ、その他不正行為をなしたとき。
五 寺院又は教会の財産に関して不正行為をなしたとき。
六 その他本宗、寺院又は教会の秩序又は平穏を乱したとき。
2 本宗の檀信徒に前項各号の一に該当する事由があると認められる場合において、特別の事情があるときは、総監が除名に処することができる。
第二百四十七条 総監、住職又は主管は、前条の規定により檀信徒を除名しようとするときは、その者に対し書面をもって弁疏する機会を与えなければならない。
第二百四十八条 第二百四十六条による除名処分は、次の各号のいずれかによって効力を発する。
一 書面による本人への通告
二 掲示場への掲示
三 本宗の機関紙への公告
第二百四十九条 住職又は主管は、除名された檀信徒の改俊の情が顕著であるときは、総監の承認を得て、これを赦免し復籍させることができる。
2 総監は、除名された檀信徒の改俊の情が顕著であるときは、これを赦免し復籍させることができる。
第十三章 財産管理その他の財務
第一節 財産管理
第二百五十条 本宗の資産は、管長がこれを管理する。
第二百五十一条 財務部長は、宗制第四十五条第二項に掲げる物件につき、毎年度資産目録を調製し、宗務院に備えて置く。
2 前項の資産目録には、当該物件の種類、数量及び価格等を記載する。
第二節 宗費の賦課
第二百五十二条 宗費は、次に掲げる収入をもって支弁する。
一 賦課金
二 義納金
三 手数料
四 教学護法財団の補給金
五 寄附金その他の収入
2 宗費は、予算をもって定める。
第二百五十三条 賦課金は、次の通りとする。
一 寺院教会賦課金
二 教師賦課金
三 事務取扱者賦課金
2 賦課金は、毎年度四月一日を賦課期日として、寺院及び教会並びに権大僧正以下の教師及び事務取扱者に賦課する。
3 特別の事情により、寺院若しくは教会又は権大僧正以下の教師若しくは事務取扱者のうちに、賦課金を賦課することが適当でないと認められるものがあるときは、宗会及び責任役員会の議決を経て、賦課を免除することができる。
第二百五十四条 本宗の予算の総額から、第二百五十二条第二号乃至第五号の収入並びに教師賦課金及び事務取扱者賦課金の収入を控除したものを寺院教会賦課金の総額とする。
第二百五十五条 各寺院教会の賦課金は、次の規定によって算出する。
一 前条の寺院教会賦課金の総額を第二百五十六条の負担割合の個数の総和をもって除す。但し、算出された金額に一円未満の端数を生じたときは、その一円未満の端数はこれ
を切上げる。
二 前号により算出された金額に第二百五十六条による各寺院及び教会の負担割合の個数を乗ずる。但し、算出された金額に百円未満の端数を生じたときは、その百円未満の端
数はこれを切上げる。
第二百五十六条 寺院教会賦課金の負担割合は、次の各号に定める個数による。
一 総本山、本山及びそれらの坊並びに外国の寺院及び教会は、宗会及び責任役員会の議決によりその個数を定める。
二 由緒寺院、一般寺院及び教会は、次の表による。但し、一等の寺院及び教会については、寺院等級審査委員会の審査を経て、前号に準じて個数を定めるものとする。
第二百五十七条 教師賦課金及び事務取扱者賦課金は、次の金額とする。
第二百五十八条 賦課金納付通知書は、毎年度四月五日までにこれを発する。
第二百五十九条 寺院若しくは教会、権大僧正以下の教師又は事務取扱者が、前条の賦課金納付通知書に誤りを認めた場合は、納付通知書を受けた日から十日以内に財務部長に異議の申立をすることができる。
2 前項の申立を受理したときは、財務部長は直ちに審査の上、処理しなければならない。
第二百六十条 非常の災難その他の事由により賦課金を納付できないときは、宗務支院長の申請に基き、期限を定めてこれを減額又は免除することができる。
第二百六十一条 寺院教会賦課金は、年度を四期に分ち、一期は四月三十日までに、二期は八月三十一日までに、三期は十月三十一日までに、四期は一月三十一日までに、それぞれ財務部に納入するものとする。但し、その年度分全額を一期納入期日までに納入することができる。
2 教師賦課金、事務取扱者賦課金は、その年度分全額を四月三十日までに財務部に納入するものとする。
第二百六十二条 賦課金は、現金で納入し、又は宗務院加入の振替口座に払込むものとする。
第二百六十三条 財務部長は、納付期日から三十日以上を経過したときは、滞納者に対して更に納付期日を定めて督促をしなければならない。
2 督促料は一回につき五百円とし、二回以上にわたる場合は順次加算するものとする。
第二百六十四条 寺院、教会、権大僧正以下の教師又は事務取扱者において、宗費賦課金の滞納が一年以上に及ぶ場合は、滞納総額に対し一割の割合による延滞料を附加する。
第三節 義納金
第二百六十五条 義納金は、次の通りとする。
一 度牒義納金
二 昇級義納金
三 任命義納金
第二百六十六条 度牒義納金は度牒下附の場合、昇級義納金は教師の僧階昇級の場合、任命義納金は住職又は主管任命の場合にこれを納付する。但し、新寺又は新教会に任命された場合は、その等級が決定したときに納付するものとする。
第二百六十七条 度牒義納金は、度牒下附の際、千円を納付するものとする。
第二百六十八条 昇級義納金は、次の表により納付する。
第二百六十九条 任命義納金は、上級の寺院の住職又は教会の主管に任命された場合、次の通り納付する。
一 総本山 百万円
二 本山 十万円
三 総本山の坊・本山の坊・外国の寺院及び教会 一万円
四 由緒寺院・一般寺院・教会
第二百七十条 兼務の住職若しくは主管又は代務者に任命された場合及び褒賞による僧階昇級の場合は、義納金の納付を要しない。
第二百七十一条 義納金納付通知書は、総監がこれを発する。
第二百七十二条 義納金は、前条の納付通知書を受けた日より三十日以内に財務部に納付するものとする。
2 前項の義納金を期限内に納付しない者は、その度牒、昇級又は任命を取消すことがある。
第四節 手数料及び寄附金
第二百七十三条 すべて認証、承認又は証明等を受けた場合は、財務部において管長の裁可を得て別に定める内規により手数料を納付するものとする。
第二百七十四条 寄附金は、その使途を指定されたものは、その指定使途に適う会計口に繰入れ、その他は日蓮正宗護法局に繰入れる。
第十四章 補則
第二百七十五条 本宗の達示を分って次の六種とする。
一 訓諭 管長が一宗を嚮導するために発する。
二 令達 管長が宗制を施行し、その範囲内においてこれを補充するために発する。
三 特達 総監が宗務の執行上、宗内に対し訓諭又は令達の主旨を敷衍(ふえん)するために発する。
四 院達 法令を宗内に通牒し、その他の宗務に関し通牒を要する場合、宗務院の名をもって発する。
五 告示 宗内に告示を要する事項につき、宗務院の名をもって発する。
六 部達 宗務に関して通牒を要する場合、部長の名をもって発する。
第二百七十六条 この宗規を変更しようとするときは、宗会及び責任役員会の議決を経なければならない。
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