自分をマッタリと愛しませんか?

自分をマッタリと愛しませんか?

妄想ドラマカインとアベル13話~



騒ぎが起きた後の夜は静かだった・・・アベルは眠れずに空を見上げていた。そこに姉が来る。「眠れない?」と・・アベルの隣に座った柳の肩をそっと抱き寄せる。



もしも・・もしもあの家の息子として生きて行かなければならないのだとしたらこれからどうすればいいんだろうか・・?この姉を残していかなければいけないのか・・?楽天横丁の仲間とも離れるのか・・?そんな事だけが頭の中を駆け巡っていた。



「風邪ひくよ・・そろそろ寝よう」姉を促して家へと入る。



翌日・・アベルとその仲間達は市場へと出かけた。色んな店が立ち並んでいるが姉が言った様に若者はいなかった。空いてるスペースに大工仕事が得意な仲間達であっという間に小さい屋台のようなものが出来上がった。看板を書き上げるアベル「ヨンダルサ」(韓国語をご存知の方はもう・・どんなお店かわかったよね・・??笑)



そこに姉が来た。乾物屋で働いてる柳はなにか騒ぎが起きてると聞いて心配して見に来たのだった。「ヌナ!これからは一緒に働くからよろしくな!」アベルは嬉しそうに柳に声をかけた。



「ヨンダルサ」それは「便利屋」だった。市場のアチコチに声をかけて歩くアベル達・・

物を売るのではなく自分達が出来る事をして助け合って仕事をしていこうと・・早速声がかかる。アベルたちは自分が得意なものをと手早く対応していった。



その話を聞いて市場だけではなく楽天横丁からも仕事の依頼が舞い込んできた。毎日みんなで仕事をして・・クタクタになるまで走り回って・・心地よい疲れ・・それは今まで経験した事のない気持ちのいいものだった。



目玉屋で飲んでいたアベル達・・最初は心配したものの・・こうやって働く事の喜びを知り人の役に立つ事を知り・・みんなの表情も以前にはないものになっていた。アベルはこれで・・ココも大丈夫だなと・・実感していた。そろそろ・・結果が出る頃だった。姉には何も言ってないアベル・・・いつ言おうかと・・悩んでいた。



おやびんはエジプトで真面目に働いていた。コツがわかってくると力任せではなく自然と運べるようになっていた。そして、おやびんの隣には1人の現地の女性がいた。食事や身の回りの事をしてくれる。言葉は全く通じなくても心が通い合っていた。なんとなく幸せそうなおやびん・・もう・・帰国の必要はなさそうですね・・・お幸せに~~!!←やっつけ仕事・・爆





カインはあっきーさんと会っていた。彼女といると何となく幸せな気持ちになれた。無邪気に笑いでも、言いたい事はガマンしない。そんな所に惹かれていたのかもしれない。 



カインは独り言のように呟いていた。アベルが見つかったよと・・楽天横丁にいたんだ・・一度は戻っていったけれど実の息子と証明されたら一緒に暮らすんだろうなぁ・・あっきーさんがそれを聞いていて不思議そうにカインを見ていた。



サンヒョクアボジと両親はどうしたらアベルをあの楽天横丁から連れ戻す事が出来るのか考えていた。お金では解決しないのは分かっていた。そんなもので動くようなら最初にこの家に来た時にそのままいたはずなのだから・・実の親子なのに・・ずっと離れて暮らしてきたのに・・どうして見つかった今も寂しい思いをしなければならないのか・・



サンヒョクアボジが提案した。楽天横丁を失くしてしまえばいいのでは?と・・地域開発と称していっそのこと全てをキレイに片付けてしまえば事業は拡大し、アベルは戻ってくると・・  両親はその話に耳を傾けていた。



アベルは柳に話をしなければならないと思っていた。いつまでも黙っているワケにも行かないだろうし、また以前のようにいきなり現れたらまた怯えたり泣いたりするだろう。そうなる前にきちんと話をしよう。アベルは柳に電話をかけた。



目玉屋ではアベルと柳が向かい合って座っていた。アベルは最初から全部を柳に説明していた。納得出来ない柳は俯いてるだけだった。ジニ君と目玉ちゃんがそばに来た。二人がそばに来てくれただけで泣き出しそうな柳・・・目玉ちゃんがアベルに尋ねた。「どうするつもりなの?」「柳ちゃんを1人残してココを出て行く事が出来るの?」「お姉さんじゃない・・今までもこれからも・・ずっと姉弟じゃないの?」



黙るアベル・・泣き出す柳・・目玉ちゃんも泣いていた。こんなに残酷な運命があるんだと・・・続く・・でいいかにゃ・・??必死に頭絞ってるんだけど・・中々先に進めないです~~~w

14話



アベルと柳はあの日からずっとギクシャクしていた。楽天横丁の人達は、自分達が良かれと思ってやった事がこんな事になってしまうなんて・・柳とアベルは仲良しだった・・子供の頃からずっと本当の姉弟のように暮らしていたのに・・・



そして・・目玉ちゃんとジニ君の結婚式の日が来た。





綺麗な花嫁目玉ちゃんは幸せそうにジニ君と式を挙げた。楽天横丁のみんなも出席していた。2次会は目玉屋で宴会の予定。新婚旅行はなし。楽天横丁が落着いてからゆっくりと旅行するらしい。アベルと柳も出席していた。そしてカインや両親も新郎側に出席していた。



挨拶をするアベルとカイン、そして両親とも挨拶をした。結果はもう出ているはずなのに何も言わない両親・・少し気になったが仲間が心配そうに見ているので何も言わず席に戻った。



2次会に行きませんか?カインは両親を誘ってみた。アベルがどんな生活をしてどんな風に生きてきたのか見てみませんか?と・・渋々楽天横丁へと行く事にした。



ジニ君と目玉ちゃんは主役だけれど目玉屋ではいつもの通り働いていた。自分達を祝福してくれるみんなの為にと料理を運びお酒を勧め「楽しんでいってください」と声をかけていた。カインと両親の所にジニ君がやってきた。



「おめでとう」カインが声をかけた。照れくさそうに笑いながら本当に幸せそうに「ありがとう」と・・そしてカインの両親へ・・

「楽天横丁は誰の物にもなりませんから」「意味・・わかりますよね?」そう言って戻っていった。



動揺する両親、カインは「どういう意味?」と尋ねたが返事はなかった。慌てて帰る両親の後姿を呆然と見ていた。



カインの元へアベルと柳がやってきた。柳と挨拶を交わし3人で飲み始めた。両親が帰ってしまったのが気にはなったが、今はアベル達とこの場所に居たかった。どうするのかは誰にもわからなかったがきっといつかは解決するはずだと~~



カインの両親はサンヒョクアボジを呼びつけていた。ジニ君が言ったセリフ・・あれはもう、向こうの家には判ってしまってるんだと・・まずい展開になった。ジニ君の家を敵に回しては太刀打ち出来ない。ましてや・・楽天横丁の目玉屋の家族である。



カインの父親はサンヒョクアボジを罵った。お前のくだらない話に乗って大変な事になってしまったじゃないかと・・楽天横丁を買収する話はなかった事にしろ・・ジニの家が全てを知ってしまった・・・どうすればいいんだと・・・



サンヒョクアボジは言われた通りにはしなかった。手を引けと言われてももう暴走するしかなかった。アチコチにでたらめな情報を流して何とかして楽天横丁を手に入れようとしていた。



お粒ちゃん達がその様子を伺っていた。そしてボスの所へと電話で報告した。ボスは・・それを聞いて一言「そういえば南米にボランティアが欲しいと言っていたな」お粒ちゃん達は「わかりました」と・・電話を切った。



カインの両親の元へジニ君の親が訪ねて来た。あっきーさんとカインの結婚の話だった。それぞれの親は賛成だったがカインの気持ちを聞いて欲しいと・・あっきーさんはカインが好きだった。愛情なのか好奇心なのかと聞かれたらおそらく後者の方かもしれないが、それでも時々見せる謎めいた横顔を見るのが好きだった。

ジニ君の親がカインの親に言う。「子供は親の物ではない。手助けが必要になった時にそばにいてやればいいんではないでしょうか」と・・・「アベル君の話は知ってますが彼はもう立派な大人の男です。残念かもしれませんが子供はいつか巣立っていくもんだと・・納得出来ないかもしれませんが・・彼の場合はあまりにも早くに巣立ってしまったんだと・・そう考えて彼を今の生活から引き離そうなどと思わない方がお互いの為にはいいと思います」と・・警告にも聞こえる内容だった・・・

親達が話をしている間カインとあっきーさんは庭でお喋りをしていた。カインは空を見上げていた。何となくホッとしてるこの気持ち・・家でこんな気分になったのは初めてじゃないかな?と思う位・・その横顔をあっきーさんが見ていた。「どんな気分?嬉しい?」といきなり聞かれてカインは戸惑った。なんでも見透かされてしまうような気分のカイン。無邪気に笑うあっきーさん・・・カップル誕生のもようです~~

アベルは両親から何も言ってこないのが気にはなっていたが・・あえて自分から行く事もないだろうと・・・柳ももう普通にしていた。わだかまりを持って生活するにはあまりにも辛い。いつかはいってしまうんだろうかという恐怖心はあったけれど、今はココで生活しているし・・先の事はその時になって考えればいい・・元々楽天的な性格なので・吹っ切れたようだった・・続きます~~

15話

ジニ君の親(両親)の話を聞いたカインの両親は、サンヒョクアボジを呼んだ。彼はすぐに来た。いつまで関わってるのか?中止だと言ったはずだと・・



サンヒョクアボジは反撃に出た。ここまで来て今更手を引く事なんて出来ない。アベルを探すために俺がどれだけ苦労したと思ってるんだ・・と。このまま手を引けば会社へのダメージは大きいぞ!!と啖呵を切って出て行った。



車に乗ろうとしてるサンヒョクアボジの後ろにはお粒ちゃん達がいた。気配で振り返るサンヒョクアボジ・・ウソンssiの凍るような視線が目に飛び込んできた。何も言えず・・抱きかかえられたまま自分の車に押し込められる。



車内で声をかけるサンヒョクアボジ・・「お前達は誰なんだ?誰に頼まれてこんな事をやっているんだ?」と・・だけど・・それは虚しい声だった。お粒ちゃんもウソンssiも口は開かなかった。そして・・夜の街を車は走り抜けて行った。おやびんと同じように・・



アベルの所にカインがやってきた。目玉屋で飲まないかと・・アベルは柳に声をかけて出かけた。



カインは今までの心の中を吐き出すようにアベルに話した。誘拐された時自分だけが隠れた事。そして両親はその時からアベルだけの両親になってしまった事・・一緒に生活をしていても気持ちはいつでも離れてしまった息子アベルにあったと・・



アベルは黙って聞いていた。目玉ちゃんやジニ君にも聞こえていた。カインもまた誘拐という事件の被害者だったんだ・・両親の気持ちが離れてしまい、自分ではどうにも出来ないもどかしさ・・



柳がそこへやってきた・・気持ちはもう・・決まっていた。アベルが離れて行くなら見送ろうと・・今まで弟として支えてくれたのだから・・両親が揃って生活の心配のない世界がアベルの居場所ならば・・そこへ帰っていったとしても誰も責める事なんか出来ないから・・・



カインは話を続けた。柳もアベルの横に座り、耳を傾けた。カインは息がつけないほど人生が緊張していたと・・自分の家に居ながらも誘拐された時の悪夢にうなされ両親には関心を持たれなかった・・そして・・左手の甲のカットバンをめくった・・



アベルはそこに「夢」で見た滲んだ十字架を見た。覚えてる・・アベルはカインにそう言った。そのアザは夢で見たと・・優しい声の貴婦人と子供の笑い声・・自分が覚えてる事はカインに全て話した。



柳は緊張した・・やっぱり兄弟だったんだ・・・じゃぁ・・アベルと恋人でもいいから一緒にいたいと・・切なる思いを膨らませていた・・・笑



カインは素直な気持ちでこう告げた・・そんな家にいても少しも幸せを感じた事はなかったんだけど・・彼女が現れてから・・気持ちが変わったんだと・・初めて自分の存在が彼女によって解き放たれたんだ・・俺・・結婚するよ・・・と・・



意外な展開に・・アベルも柳も目玉ちゃん・・ジニ君も目がテンになっていた・・・

最後はノロケ話で締めくくったカインの初めてみる屈託ない笑顔・・・



ジニ君にしてみても・・初めてみるカインの素顔だった・・そして目玉屋では宴会が始まった~~~カインの結婚を祝うのと一緒にアベルとカインの兄弟の絆・・そして両親がどう出てくるかはわからないけど・・とりあえずは柳や楽天横丁の仲間としてアベルがまだココにいられるんだという安堵感・・幸せな時間だった・・・続くで~



最終回・・・だと・笑



カインの両親はアベルの元へと来たが、それは家に連れて行くためではなかった。柳に対しても好意的になりアベル同様自分達の子供だと思って欲しいと告げていた。アベルは安堵した。このまま楽天横丁で生活が出来る。精一杯の感謝を込めてアベルは両親に挨拶をした。長かった失われた時間をこれから少しでも取り返せるように努力しますと・・・



サンヒョクアボジは南米にいた。エクアドルのインガピルカという町で遺跡の補修工事のボランティアとして、働いていた。おやびんが言われたのと同じセリフを聞いて従ってたのだった・・・なんで俺がこんな目に・・とブツブツ言いながら・・



ボスの所に来てたお粒ちゃん達・・ボスは相変わらず後ろ姿だけだった。そして一言・・・

「ご苦労だったな・・お前達もそろそろ休んだらどうだ?」それを聞いたお粒ちゃん達はこう答えた。「判りました。でもその前にお顔を一度くらい見たいんですけど・・ボス・・」というなり、ウソンssiがボスを抑えた。お粒ちゃんが前へと廻った。ボス・・それは・・「チョ・サンベ」だった・・・お粒ちゃん達は猛ダッシュで逃げた。



彼は何の為に・・楽天横丁にちょっかいを出したのか・・ナゾのままだった・・もっとも・・どうも「ナンジャ好き」らしいので・・アベルに惚れてたのかもしれない・・・





カインはあっきーさんと婚約した。今までにはない晴々とした表情のカイン、幸せそうだった。そして・・少し羨ましかった・・柳しゃん・・・



市場は「ヨンダルサ」のおかげで賑わっていた。その影響もあってか楽天横丁にも活気が戻ってきてみんなが平和に暮らしていた。アベルの仲間達もすっかりとチンピラのような格好をしている者がいなくなり本当の意味での新しい未来を夢みていた。



目玉屋には相変わらず常連客が集まっていた。小太郎母ちゃんが言う。「なんか・・暫くの間に色々あったけど・・解決してよかったよね~」なっつちゃんも「何となくなんだけど・・うちらより小太郎のが・・目立ってたよね・・」少々・・不満気に聞こえた。小太郎は何も考えずに・・こっそり・・「売り物」のぬいぐるみをビリビリしていた・・・



ゆきままちゃんと「ドンゴン君」の結婚式も行なわれた。新婚旅行は「日本」だそうだ。(ガラスの華・・・と言われそう・・・)



にぃさまときうぴinちゃんはどうやら・・二世の誕生がありそうな気配だし・・

目玉ちゃんとジニ君も横丁が落着いたので新婚旅行を計画してるらしい。



みんながそれぞれ・・自分のいるべき居場所を見つけて、しっかりと前を向き歩き始めたようだった。



(そして・・納得いかない・・柳・・・妄想に必死で・・アベルと・・あ~~んな事やこ~~んな事を・・妄想する予定だったのに・・・結局・・・姉のまま・・なんの展開もなく・・終了・・・そんな・・バカな・・・せめて・・せめて・・最後に何か・・美味しい思いがしたい!!!!)



なので・・・最後にアベルは柳にポッポして「大好きだぁ!!!」と叫んでもらいます~~笑  まぁ・・「姉」として・・なんだけどね・・・めそめそ・・

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