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2003/08/21
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夏なのに雨と湿気だけが

少しだけ気温が上がると
飛び立とうとする彼らは
やっと開いた羽に勢いをつけて
初めての大冒険に行こうとした

翼が思うように羽ばたかない

夏を背景に美しくなりたいと
彼らはみんな望んでいる

口いっぱいに注ぎ込んで
今か今かと羽ばたく瞬間を待っていた

今日ははやっと太陽が見える炎天下の晴れ日和
彼らはやっと翼が開けると
自然の空気を思いっきり吸い上げて
高い高い木の枝から
遠い世界を夢見て羽ばたいた

木々は友達、土は故郷、葉は休める自分のお部屋
土の中で何年ももぐっていた彼らの出発のときだった

いつもの国有林の前を
自転車でゆっくりと走っている

それともそこまで羽ばたきたかったのか

突然「ボタッ」という地面に叩き込まれる
鈍い音を感じた
振り返る私
羽が動かないで彼の声だけが

むなしく彼らの鳴き声だけが聞こえていた

良く見ると羽は全く硬直して動かない
なんて哀しい彼らの一生なのだろう

思わず変わりに口笛を吹いてしまいたい

木々から落ちてしまた彼らは
土の懐かしい香りをかいで
土にも香りがしたのだと
初めて気がついたように見える

土には優しい香りがあって
しんみり感じるオーラがある
土の香りは彼らの心をスッキリさせ
飛べない翼を悲しむ彼らに土は慰めていた

人も歩く土の上には
彼らの土に対する思いがある
深さがある
大きさもある
そして懐かしさもある

飛べない翼を持つそのものは
哀しい鳴き声とともに死骸になったまま
土という故郷へ帰って行った

彼らの声が遠くから聞こえる
「土にはね、はかり知れないよさがあるんだ。」
「だからね、何年も土の中に眠っていたんだ。」

彼らの1週間の羽を持つ姿は
平均寿命より外の世界が生きる寿命を短くした

異常現象を巻き起こした今年の夏
彼らの羽は天に行くための翼とでしか
なかったのだろうか

また返ってきてね
私がここから去っても
人間はあなた達の声を聞いて
暑い夏を感じ取り
次に来る季節に備えて
生活してゆくのだから

来年は必ずあなた達の素敵な歌を聞かせて欲しい

待ってるからね、蝉たちさん・・・






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最終更新日  2003/08/24 08:39:41 PM
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