「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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さしの部屋
ダブリン
グレンダーロッホの風景
ダブリンに行こうと考えたのに、たいした理由はなかった。
まずイタリア行きが決まっていたこと。そしてその期間は当初の予定より
ずっと短くなっていたという事。つまり、短期間でも行ってみたいと
思える、もう1つのヨーロッパ都市に行ってみたいと思っていた事。
そして最大のポイント、まだ行った事がない国であるという事。
始め少し考えたのは、ポルトガルであった。どうしてポルトガルは
止めたかというと、こちらにもたいした理由はない。単純に
同じように候補に挙がっていたアイルランドが急に良いような気が
してきたのだ。だって、ケルトの国だもん。
ケルト?ケルトってなんだろう。って、本当は分かっていない。ただ、あの、
ケルト的装飾の魅力的な画像の記憶が頭に浮かんだだけの事である。
イタリアでは、見ることの出来ないタイプの。
思えば英語圏への旅行は本当に久しぶりである。現地の言葉を
片言でも覚えづらい場合はいつも無理やり英語を話していたが、
イタリアに住んで以来この方、英語が頭に浮かばなくなって
ちょっと、コンプレックスとも言える感じでした。
到着していきなりの関門は入国審査だった。私のパスポートには
イタリアのヴィザがまだついているからか、結構足止めを食らった。
友達は居るのかとか、住所はどこだのあとに、目的を聞かれ、観光というも、
観光シーズンからは外れているからか、で、何でダブリンなんだと。。。
そんな事答えられますか?そんな事まで聞かれても。観光客の観光の理由なんて
観光しかありえない。博物館に行ったりしたいと言ったが、その後の質問は
で、イタリアに住んでいるのかという事で、、やっぱり、疑ってるじゃん。
疲れちゃうわ。いい加減、開放されたけど、最初から少々不安。
ホテルはネットで予約してたけど、なかなか当たり。でも、問題は
明日のグレンダーロッホ一日バスツアーだ。数日前、ミラノから
オンライン予約したけど、入るはずの確認メールが入っていない。
午後中時間があるのだから、観光の前に、バスセンターに行って、
旅行会社のカウンターで確認しなきゃ。週に3日しか出ないツアーだから、
絶対に逃すわけには行かないのだ。
バスセンターは簡単に見つかった。で、チケット窓口がある
所の上の階に、狙っていた旅行会社の窓口がある。
これだ、と思い、聞いてみると、、ここでは分からないから、と、電話番号を書かれる。
え?無理だよ。電話でそんな込み入った事聞けない。困った私は、直接行くと
どうなるか聞いてみると、まあ、それでも。。という曖昧な感じの返事。
もういいや、直接行けば、混んでて乗れないはずもなし。
ただ、オンライン予約の時に、カード払いになってはずなのが
心配だったのだ。でも、もう、明日の朝、考える事にしよう。
で、改めて観光に出かける。とりあえずはダブリン観光の目玉、
国立博物館へ。入場料ただ。だけど、すごいんです。各セクション
見所満載。考古学的なものから中世のものが特に心惹かれます。
目を引いたのは紋様豊かな装飾品、ゲーム版やそのコマ。そして、
ふたつの顔をもつ1つの頭部の彫刻、など。たっぷり二時間は
見入ってしまいました。その後、アイルランドにキリスト教を伝えたと言う聖人、
聖パトリックに捧げられた教会に歩いて行く。ほとんど
改築されていてゴシック以降化されていますが、興味深い。
行き返りに通過した地元っぽいエリアの印象からでしょうか、
その地になじんだ信仰をイメージしてしまった。
それから、時間的にも観光には遅いと感じ、お決まりのテンプルバーエリアへ。
石畳の、そんなに大きくはないエリアだけど、パブだとかレストランが密集している。
まだ、5時とか6時とかで、夕飯には早いと思っていたけれど、レストランを
覘いてみると案外皆食べているのよね。イタリアでは考えられない事だわ。
朝が早かったこともあって、その辺のお店に入って、ラムステーキを頂く。
ギター演奏があって、歌ってたりするから、かなり観光っぽいのかと思いきや、
普通のカップルが客のメイン。そうよね、観光客目当てだけのお店なんて、
観光シーズンが短いこの国ではやっていけないだろう。
そして、早めにこの夜は宿に戻ることにし、夜は更けていったのである。
朝は、アイリッシュブレックファーストが楽しみだった。
英語圏への旅行が久しぶりという事は、アメリカンブレックファーストだとか、
イングリッシュブレックファーストだとか、つまりボリュームある
ベーコンだの卵だのの朝ごはんは久しぶりなのである。う~ん、期待以上。
スクランブルエッグの卵は3つ分はありそう。ベーコンもソーセージも肉!って感じ。だいたいベーコンが分厚い。
朝から満腹。ちょうどその頃、母から携帯に連絡が入る。こういう時は
かなり臨場感のあるお話が出来ちゃったり。食べ物の力は実に偉大だ。
それから、少し時間が早いのは分かっていたけど、再度バスステーションへ向かう。
今度はバスチケットカウンター横のインフォメーションで聞いてみる。
すると、二階に行けと。って、昨日行ったんだけど。まあ、仕方ないので
上がって聞いてみる。すると、今日のお姉さんは優しい。すぐにパソコンで
チェックしてくれ、支払い確認の後、チケット発行。ターミナル番号まで
教えてくれて、全ては順調。昨日はなんだったの?って思うけど、
こういうことには慣れっこなので、終わりよければって感じ。
でも、まだ、一時間ぐらいあるのよね。どうしよう。
お散歩がてら、コーヒーを買って、川のほうに歩いてみた。変な野外彫刻がある。
どうやらイギリス軍との戦争の時かなんかの暗い主題のもので、でも、
なんとなく嫌いではなく、その横で、ベンチから、川を眺め、通勤の人を眺め、
そしてコーヒーをすする。風は冷たい。やっと、時間が近づき、バス乗り場に戻ると、
ターミナルには列が出来ている。ほんの10人くらいの参加者だ。
私のすぐ後ろにはそう言えばこちらに来てから見かけたことがなかったが、
日本人らしい女の子が居る。一日ツアー参加者10人なのに声をかけないのも
どうかと思い、話しかけてみると、「あら、日本人の方ですか、日本語はなすの、
久しぶりだから嬉しい」と。カナダのワーキングホリデーに行っていて、
日本に帰るのがすごく嫌だから、ヨーロッパ旅行をしてからと、
まわっているらしい。帰るのが嫌だからという理由なので、貧乏旅行で、
でも、時間つぶしみたいな感じらしい。ちょっと変には思ったけど、
いろんな人が居るもんだし、話した感じ明るい人で、今日は彼女と一緒に
過ごす事になりそうだ。バスでは運転手さんがガイドを勤める。。って、
本当にずっとマイクで話しているの。三分の一も分からなかったけど、
所詮は英語だ。昔イタリアの語学学校で行った遠足よりはずっと分かる。
最初の到着地点はなんちゃらガーデンというところ。広大な庭園が広がる。
日本式庭園とかイタリア式とか、色々あるんだけど、なにぶん寒いから、
ゆっくりまわる気持ちにもなれず、すぐに建物に戻ってきちゃう。でも、
お店がいっぱい入っていて、時間はつぶせるのよ。でもこれって、
ハワイかグアムのツアーに免税店が組み込まれているみたいな感じ?
って、何にも買わないけど、でも、一人だと場が持たなかったし、彼女、
居てくれてよかったわ。さて、出発の時間になり、最大の目的地へ。
グレンダーロッホとは、初期キリスト教の教会の遺跡が残る場所。
周辺には川や湖があり、教会跡の周辺は現在でも墓地として使われる。
つまり、そんなに古いものではないがハイクロスなどが見られる。
ツアーはビジターセンターで紹介ビデオをみて、小さな博物館見学。
あとは、現地ガイドによるツアーに参加するか自由行動ということになっていた。
早速歩き回る。壁が厚い。それが最大の特徴と言えるであろう。
狭い範囲ではあるものの、いくつも教会が残る。アイルランド各地に残り、
まだ、多くは解明されていないと言う12世紀(?)の円柱形の塔がそびえる。
カテドラル、と書かれた教会も見受けられる、が、本当にこんな僻地に
カテドラがある教会があったのかしら?アイルランドのキリスト教について
何にも分かっていないから、自分の中での返事が見当たらない。
ただ、すっからかんの内部に墓石が並ぶ教会跡を興味深く見学する。
空気は寒さの中で靄って、澄んでいるのかさえ分からない。
お昼はここで食べておかなきゃ、あぶれる感じだった。
だけど、開いているお店なんて1つしかない。
彼女と二人、パブなんだかレストランなんだか分からないお店に入る。
彼女はダブリンに何日も滞在して居うるにも関わらず、
外食はしていないそうで、驚いた。まあ、いいから、ギネス頼んで、
簡単なチェダーチーズのサンドイッチを食べる。店員の男の子が、客とビリヤードを始める。
ナインボールぐらいしか分からない私でも分かりやすい感じのルールの
でも見たことはなかった方法でゲームが始まる。彼は注目を浴びている事を
隠し切れず、緊張しているみたい。だけど、最後、あっさり、自分のミスで
客のおじさんに負ける。で、急にカウンターの中に戻って、働くふりをする。
バスはグレンダーロッホを抜け、何とかと言う岩だらけの地域を通過する。
不毛の地に見えるこの辺りにもいくつか教会跡が確認できる。
ガイドであるバス運転手は車を不意に停め、あちら側で待っているから
歩いてきてくださいと私たちをおろす。私には何があるのかは聞き取れなかった。
本当に寒い。そして、他の人について歩いていってみると、
古木の切り株があり、そこに歩いていけるように木でできたデッキ状の通路がある。
みんな震えあがってバスに戻る。そして、帰途につくことになる。
運転手ガイドの長いお話も逸話も、子守唄。気付くと既に
朝方通過したダブリン郊外の町並みだったのである。
ダブリンに帰ったら、もう夕方で、観光をそれ以上できない時間。
私は一番のショッピングストリートでもさまよってみようと思っていたら、
彼女もなんだかついてくるのね。「夜に一人で出歩くのは危ないと思ってて、
いつも夕方にユースに帰って寝ていたから」っていう。
貧乏旅行者は夕飯も食べないのかいと思ったけど。。
お土産になりそうなお菓子なんかを買った後、一緒にパブに行く事に。
最初はビールを飲んでいたけど、やっぱりお腹が減ってきたので、
アイリッシュ・ローストビーフを頼んでみた。パブでの食事が
どんな感じか分からなかったけど、店員さんは、席はあっちかとか
色々聞いてきた。ので、オーダーはばっちり入っているはずだった。
が、来ないんだよね。40分ぐらいお喋りしてたら過ぎちゃった。
いい加減ありえないと思って、さっきの人に文句を言いに行った。
うまく言えないけど、でも、態度はイタリア生活で学んだ、主張満点の
文句口調。「一時間も待ってるのよ、一時間。」
そうしたらね、僕は厨房にオーダー入れたんだけど。。ごめん。
じゃあ、ノーチャージにするし、あと、2分で持っていくからって。
ノーチャージってつまり、ただって事?すぐにピンと来なかったけど、
考えてみればただ。話し相手がいたんだから、そんなに待ったって実感も
なかったから、ただただラッキー。ローストビーフもばっちりうまかったです。
ああ、アイルランドに来てまで、ただ食いの恩恵にあずかれるとは。
次の日。終日時間があるのは、最後。まだ、博物館しか見学していない
ダブリン市内を堪能します。二度目のアイリッシュブレックファーストの後、
さてと、何から見に行くか。やっぱりあれですか、ケルズの書。
ケルズの書とは7世紀の福音書の写本。写本としては非常に貴重。
今は、トリニティーカレッジの特別展示室に収められています。
所詮、見世物は、そのケルトの書と、その時代のダロウの書。
つまり。説明的キャプションが多いんです。でも、それが面白かった。
装飾本のテクニック的な事も、ピグメント(顔料)の説明も細かいの。
惹かれますわ。とにもかくにも。定期的にページがめくられると言う
装飾本のページを食い入るように見つめて、そして外に出て、
念願のアイリッシュシチューをランチに頂く。うまいんだよ。
あれなら自分でも作れそう。って、作ってみよう。いずれ。
後は、色々まわりましたよ。ダブリン城は入り口までいって
やめちゃった。だって時間がかかりそうだったんだもん。
だからその後、ダブリニアというテーマパークや、他に、教会や
あと、想像以上にいけてる現代美術館に行って、満足な〆心を持ったのです。
最終日の夕飯には困ったんです。思ってたより、お腹にたまっていた
お昼のアイリッシュシチュー。だけど、夕飯抜きで旅行を終えるなんて
考えられない。で、散々さまよった後、ちゃんと食べました。
サーモン料理。ドリンクはりんごのビール、サイダーで。
フランスのシードルとは違うのね。ちゃんとビールなのね。うまい。
そして最後に、アイルランドの教会の話ですが、やはりケルト文化の影響が
見られます。今回は私の好きなロマネスク教会は見られなかったのですが、
博物館などでポルタイユのレプリカなどを見ることは出来ました。
また、もう少し新しい時代のものを含め、各所装飾に人頭が使われるのです。
考古学的時代、ケルト民族にとって人間の頭はとても重要だったのです。
敵の頭を切り取って持ち帰るケルト民は他民族には野蛮に見えたといいますが、
現在のカテドラルにもこんな装飾がありました。
中央部分にある人頭確認できますか?
帰宅は、ローマ経由、しかも乗り換え時刻は夜。乗り換え時間は長いのに
思ってたほどにお土産を免税店で買えず、フラストレーションたまったけど
でも、そういう時間的余裕は大事だったみたい。色々思い起こしたり、
充実時間を過ごして、そして、帰りの飛行機では、3席独占で
ご機嫌に帰宅しました。やっぱり楽だね、そういうの。
書ききれないなぁ。見た事の全ては。
もっと深い旅行だったんだけどね。少なくとも気持ちの上では。。。
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