窓辺でお茶を

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July 8, 2007
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カテゴリ: 気になること
 「バイオ燃料ブームを問う!」というお話を聞いてきました。同時に、日本全国で調査された遺伝子組み換えナタネの自生状況の報告がありました。ナタネはともかくとして、バイオ燃料と遺伝子組み換えはおおいに関係があるのです。

 結論から言って、バイオ燃料というのは、オールタナティブなエネルギーとして小規模に研究しているぶんには、よかったのですが、国や大企業が大々的に乗り出してきて、問題が発生しました。皆さんご存知のように、穀物の値段が上がり、発展途上国の人たちの食糧に影響が出てきました。農家が値上がりしたものばかり作るようになったため、他の作物の生産量が減り、値上がりしています。バイオ燃料とは、発展途上国の食糧をとりあげて燃料にする、ということです。

 誰が一番得をしているのか?というと、穀物メジャーとモンサント社です。モンサント社は遺伝子組み換え種子を売っていますが、花粉が飛んで勝手に受粉したのに農家を相手取って損害賠償の請求をしたり、悪名高い企業です。遺伝子組み換え作物に毒性が報告されたり、環境に与える影響など不安が解消しないために、ヨーロッパや日本では遺伝子組み換え作物の栽培は受け入れられていませんが、バイオ燃料が追い風になり、世界的に作付面積が増えています。ブッシュが環境政策を転換したのには、このことと、イラクでの失敗が影響しているとのことです。

 では、バイオ燃料そのものは期待できるのかというと、トウモロコシなどはでんぷんを一度糖質に変えないといけないため、手間がかかり、1.1~1,5リットルのバイオエタノールを作るのに石油1リットルを使うのだそうです。石油をそのまま節約しながら使ったほうがましな気がしますね。ブラジルのサトウキビはもともと糖質でもあり、石油が手に入らなかった時代に工夫したため、もっと効率がよいそうです。第2世代として、セルロースを使った燃料が研究されていますが、セルロースを使うのに希硫酸を使うので環境に悪かったり、遺伝子組み換え樹木など、環境への影響が懸念されます。

 また、日本の全農地で燃料用穀物を栽培したとしても、トウモロコシで1000万リットル、米で750リットルのバイオ燃料しかできません。日本で消費している自動車燃料は1億リットルですので、まったく足りません。

 畑で燃料やプラスチックなど工業製品が作られる、という動向は、食糧不足、特に発展途上国での食料不足につながっています。今選択の岐路に立っていることを自覚しないといけないのですね。食糧もエネルギーも自給できない日本では、食べたいだけ食べ、車に乗りたいだけ乗る、という生活を変えるしかないようです。

 原子力も、海水中や大気中に熱を放出するので、温暖化を促進しますし、高速増殖炉でプルトニウムを2倍にするのには90年かかり、設備の寿命がその前に来てしまうので、まったくの無駄、ということでした。アメリカではシカゴ郊外に高速増殖炉の炉心が稼動開始後10分で溶解し、あやうく大惨事になるところだったそうです。それでもうやめてしまったそうです。

 遺伝子組み換えナタネは、港と精油工場周辺、運搬経路である道路わきなどに自生しているそうです。





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最終更新日  July 9, 2007 12:34:33 AM
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