竜胆輪道 (りんどうりんどう)

竜胆輪道 (りんどうりんどう)

May 27, 2008
XML
テーマ: お勧めの本(7512)
カテゴリ:
熊野でのレース


まず本の感想とは関係ない話から。

ツールド熊野のサイトの掲示板を眺めていたら、「ABとはなんですか?」という質問があったのですが、自分が読んだ文庫の最初に収録されている「黄金比の朝」の冒頭にちょうど「abandon=放棄する」と偶然出てきました(主人公の予備校生の単語帳のABC順から?)

リザルトにABというので思い浮かぶのは、 ジャパンカップ

以前は5%ルール(優勝者の時計から5%以上遅れたら、たとえゴールラインを通過しても完走としない)があったので、途中で足切りにならなくともゴールするまで気が抜けませんでした。

日本ランキングがあって、それにより 全日本選手権 に出られるかどうか(ランキング上位100名が参加できる)が決まっていた時には、ジャパンカップのアマチュアレースは点数が大きく、自分のようにランキング100位に入れるかどうかの選手にとって、ジャパンカップを完走できるかどうかは非常に重要でした。

完走できたかと思って結果を見たら、「AB」となっていたときはがっかり・・・



ここから本を読んだ感想



どの作品も、人間関係が複雑で誰が誰だかわからなくなることが度々・・

読みやすいとはいえなかったです。


複雑で粗暴な家庭環境に育った者が、必死に自分を律しようとする。「血」には抗えないのかと、自分探しをする姿。

DVモノによくある、暴力を受けて育った者が、親になり自分の子供に暴力をふるうという連鎖(鶴見俊輔が、「虐待の万世一系(?)」と言っていたような)

皆苦しんで生きているが、何とか自分を世界の中に位置づけようとする。



先入観かもしれませんが、収録されている中では、「岬」がずば抜けていい出来に感じました。

主人公の自分探しも疾走感があるように感じられ、人間も舞台も他の作品に比べれば鮮明に。


「俺は日本のフォークナーになる」と中上健治は言ったそうですが、自分が読んだフォークナーはもう少し遠巻きに描いているような気が(使われている南紀弁にそう思わされてしまったのか、確かに内面の細かい心理描写というのとは違うか)





『ポスターのチェ・ゲバラだけが、ぼくと同じように、身を律して眠らず起きているように思えた。』



黄金比の朝より











お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  May 28, 2008 12:35:38 AM コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

say-zz

say-zz

Comments

say-zz @ Re:カルーゾ男だ!! ジロ第二十ステージ(05/30) ビルバオ最後の登りまで引いて凄かったで…
JAJA♪ @ Re:カルーゾ男だ!! ジロ第二十ステージ(05/30) とにかくビルバオ、今日は誰がなんと言お…
say-zz @ Re:未舗装で総合変動 ジロ第十一ステージ(05/20) 山とTT以外に差がつくのは強風が吹いた時…
JAJA♪ @ Re:未舗装で総合変動 ジロ第十一ステージ(05/20) グランツールに未舗装路、流行るんですか…
坂東太郎9422 @ Re:ノーベル賞 「株式会社Caloria代表取締役社長 管理栄…

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: