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October 17, 2008

『失われた時を求めて６　第三篇　ゲルマントの方?』その３

(2)

テーマ：最近、読んだ本を教えて！(24304)

カテゴリ：読書

失われた時を求めて（6（第3篇））

こらちから続いてます。
１回目で書きましたが、覚悟がないせいなのか、結構だるい箇所が多いんだな、と思ってしまった２度目の読書。
延々と続く社交界話、彼らを皮肉に描いている所は好きではあるのですが…。
アルベルチーヌとの再会も、ほんのちょびっとだったしなー。とにかくゲルマント公爵家での社交界話がメインです。
才気を効かせたゲルマント公爵夫人のセリフの滑稽さが、おそらく、翻訳では伝わらないおもしろさもあるのではないか、と想像するのですが。駄洒落なんか、かなり無理矢理ですしね。きちんと訳注に説明はされています。
そんな退屈な読書を進めていましたが、シャルリュス男爵が出てきた途端に、パーッと光がさしたようにおもしろいのなんのって！
この後の巻で明らかになる、シャルリュス男爵の性癖を既に知っている私は、よくぞご無事で (語り手がね)、なんて思ってしまいました～。
いやはや、この巻のこの箇所は、プルースト、実に筆が冴えていると思います。

終盤では、またまた変貌したスワンが登場するし、身近な人の危篤よりも、楽しみにしていた舞踏会をなにがなんでも優先しようとするゲルマント公爵夫妻が、初読の際も実におもしろかったです。性格描写とセリフが見事！

ちなみにプルーストが興味深いのは、ドストエフスキーの影響を受けてサロンでの長々な会話を何十頁も書き続けるにもかかわらず、その内容が『悪霊』の作者のようにいっこうに神学と人間の実在の問題へと深まっていかないところにある。彼が描くのは、ただひたすら愚者のための愚者が語る、世俗の噂話なのだ。

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Last updated October 17, 2008 06:21:25 AM
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■コメント

Re:『失われた時を求めて６　第三篇　ゲルマントの方場K』その３(10/17)

アラネアさん

読書ってエネルギーが入りますね。
中学時代、近所の東大生に友達と英語などを教えてもらってましたが、彼は高校３年生の時、親に「一年間読書させて下さい、卒業してから必ず一年後東大に入ります。」と親に言って、実際そのとおりにしました。「どんな本を読んだんですか？」と聞いたら「ドストエフスキー」と言ってたな～。
平野啓一郎の「決壊」は面白そうですが、彼も「悪霊」が愛読書と言ってましたよ。
いや～老眼になる前に本はいっぱい読んでおくべきだた～(T_T)
『愚者のための愚者が語る、世俗の噂話…』か～
面白そう…
(October 17, 2008 09:34:32 AM)

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Re[1]:『失われた時を求めて６　第三篇　ゲルマントの方場K』その３(10/17)

SEAL OF CAIN さん

アラネアさん
＞中学時代、近所の東大生に友達と英語などを教えてもらってましたが、彼は高校３年生の時、親に「一年間読書させて下さい、卒業してから必ず一年後東大に入ります。」と親に言って、実際そのとおりにしました。

めちゃめちゃエライ＆スゴイです～～！一年間読書かあ。すばらしい！！
有言実行出来ちゃう人って、ほんとすごいっす。不思議です。

＞「どんな本を読んだんですか？」と聞いたら「ドストエフスキー」と言ってたな～。

もうドストエフスキーは基本！世の中には２種類の人間がいて、ドスト読んでる人と読んでない人！

＞平野啓一郎の「決壊」は面白そうですが、彼も「悪霊」が愛読書と言ってましたよ。

「悪霊」はすんごいパワーの作品です。再読したい熱がふつふつと。
ドストエフスキー小説のおもしろい所の１つに、読んだ人それぞれの感想が全く違ったりする所があります。
「悪霊」はスタヴローギンに惹かれる人が多いみたいだけど、私は極悪人ピョートルの方に惹かれるし。 (October 17, 2008 09:34:10 PM)

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SEAL OF CAIN

アンチ・ハリウッド的、ベストセラー無視、サブカル好きのマニアックな傾向のブログです。 2019年に札幌に移住しました。そして2020年、しばらく離れていましたが、またこちらのブログに復帰しようと思います。主に読書・映画関連はこちらのブログに書く予定です。「吉乃黄櫻」名で音楽活動しています。そちらもよろしくデス。

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