公式戦の初戦のアストン・ヴィラに0-2で完敗した。ブラックバーンには1-1で引き分けた。そして3試合目は、ローゼンボルグとのチャンピオンズリーグ予選だった。ホームゲームなのに1-1の引き分けという結果が重くのしかかっていた。結果よりも、内容のぶざまな姿がオーナーを怒らせたらしい。チェルシー不調の理由はFWドログバとピサロ、MFランパードとバラックが故障で出場できないことにある。攻撃陣が本来の機能を発揮しない。頼りになるのは期待はずれのシェフチェンコしかいないという緊迫した状況が生まれていた。故障者が多いことが、監督の責任なのかという面は判断しにくい。
解任という表現を双方が避けたのは、功労者のモウリーニョに影響を与えないという配慮だろう。もし、最初から自由の身だったならば、マドリードなどもほうっておかなかっただろうから、監督の進退の判断は難しい。針の筵の上で頑張るよりも、居心地の良い環境を探したほうが賢明なのは明らかだったが、チェルシーの選手が引きとめたことが判断を曇らした。モウリーニョも義理と人情には弱かったというのが退団の背景にある。上層部が陰謀を企てる前に椅子を蹴るべきだったから惜しい。
チェルシーの絶対的な権力はアブラモビッチが握っている。球団首脳はオーナー命令に逆らえない。わずかな弱点も見逃すまいと身構えていた。そこにドログバなどの故障者が重なるという偶然が起きてしまった。1年間を通しての結果は負傷者が回復してくるから、そこそこのレベルになることは見えている。実績を残す前にやめさせてしまおうという陰謀だから、モウリーニョにはどうにもならない。1年目はプレミア優勝、2年目もプレミア優勝、3年目は2位に甘んじている。これを見れば、モウリーニョは卓越した手腕を持つ監督であることは明白なのだが、喧嘩する相手がオーナーではまずかった。権力者にも屈服しない姿勢を打ち出したことも事態が深刻化した理由である。
さて、はて、チェルシーの未来はどうなるのだろうか。いずれ故障者たちが復帰すれば、最強の軍団に戻ることは見えていても、憎まれ役のモウリーニョがいないのは、少し寂しい気がする。ヤクルトの古田監督も退団するというし、世の中というものはうまくいかないものだなあ。嫌われ者のモウリーニョと発展期だったチェルシーのサッカーは筋が通されていて、面白かったのだが。
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