MATRIX7

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2009.02.15
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カテゴリ: 現代社会
 アフガニスタンで何が起きているか、何が起きようとしているかを日本人が知ることはできない。情報の伝達が欠落しているからになる。そこで、アフガニスタンの話には、誇大妄想的な尾ひれがつくことになる。世界の90%以上のアヘンを栽培していることや米軍が援助した武器の半分は行方不明になっている話などは、それに当たる。政府要人は賄賂を要求し、国土はいまだに戦場になっていると伝わる。オバマ大統領がカルザイを信頼するに値しない人物と主張するのも無理はない。そこで、追求される側のカルザイ大統領のインタビューがCNNで行われ、その姿を見ることができた。
 質問は単純なものが多かった。家族に麻薬密売業者がいるというのは本当かという質問などである。カルザイはその情報の多くが米軍関係者の陰謀によるものと語る。アメリカに非協力的なカルザイを米軍はやめさせたがっている。カルザイの信用をなくすために偽りの情報を流していると言う。カルザイは「アフガニスタンの村にテロリストは存在しない」と断言している。それゆえに、米軍やNATO軍がアフガニスタンの村々を攻撃することを強く批判している。南部の村々を攻撃しても、住民の反発が起きるだけで無駄であることを訴える。「タリバンはアフガニスタンにいない」と主張する言葉をアメリカ軍が信用できないのも無理はない。その言葉が真実だとすると、多くの軍事作戦は無駄な行動になってしまう。日本人には、いったいアフガニスタンの村で何が起きているかを知るすべがない。
 オバマ新政権は、米軍を増派してタリバンを攻撃すると公約に掲げている。しかし、カルザイが「アフガニスタンにタリバンがいない」と主張すれば、米軍は矛先をパキスタンに向けざるを得ない。アフガニスタンで起きている米軍の戦闘は、実はタリバンとの戦いではなく、一般民衆を誤爆しているに過ぎないことになる。これが事実だとすると、これまでの通説は大きく書き換えられることになる。「一体どこにタリバンはどこに潜んでいるのだろうか」は愚かな質問になってしまう。タリバンはアフガニスタンにいないのに、米軍やNATO軍は誰と銃火を交えているのか。それを確かめる手段や情報網を持っていない。
 一般のアフガニスタン人、アフガニスタン南部に住むパシュトン人、一般のパキスタン人、パキスタン西部に住むパシュトン人、海外からやってくるイスラム戦士のムジャヒディン、アルカイーダなどのテロリスト、これらが渾然一体になって国境地帯に住んでいる。米軍とNATO軍は、それらを区別することができない。そこで、無差別に村を襲って攻撃する。犠牲者の多くは一般の村人であり、それが映像で伝えられてアメリカ軍に対する反発が強まる。多くのアフガン人とパキスタン人にとって、米軍とNATO軍は敵にしか見えないのだろう。アメリカ軍は多数の民衆に包囲されている。
 カルザイの「アフガニスタンにタリバンはいない」という言葉は重い。それでも、「テロリストは国境の外にいる」というカルザイの言葉を信じる米国人はいないだろう。アフガニスタンを本当の戦場と考えているオバマと「アフガニスタンの村にテロリストはいない」と語るカルザイでは、おそらく話が通じない。基本認識がこれだけずれていると、まったく対話にならないだろう。それゆえに、カルザイは信用するに足らない人物という評価が出て来る。もし、アフガニスタンだけでなく、パキスタンにも戦火が拡大すると、この地域は手をつけられなくなるほど混乱してくる。オバマ新政権は、この問題の解決に慎重になる必要が出てくる。アフガニスタンの真相が見えていないのでは、戦いようがない。





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Last updated  2009.02.16 00:20:36
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