テキーラという蒸留酒は厳しい格付けが行われていて、テキーラ村の周辺で精製されたものしか政府が認めない。竜舌蘭から多様な酒が蒸留されていても、メスカルとしか呼ばれない。テキーラと認められるのは限られた地域の「アガベ・テキラーナ」と呼ばれる竜舌蘭のみから精製されたものという。日本人がテキーラをぐい飲みすると、そのアルコール度の高さにひっくり返ってしまうが、メキシコ人たちは平気で塩を肴にきゅっとやっている。
竜舌蘭は100年に一度花が咲かない植物なのに、どうやって生存競争を生き抜いたのだろう。何のために100年間に一度しか花を咲かせないのだろう。どうやら、メキシコでは植物の進化の過程において、毎年花を咲かせるよりも、数十年に一度しか開花しないほうが都合のよい環境が存在していたらしい。竜舌蘭は花を咲かせると枯れてしまう。一度の開花のために、数十年間もでんぷんを蓄積させ続ける。竜舌蘭は開花の時期が来ると、大量のでんぷんを糖に変化させて、開花のエネルギーとして発散させる。すべてのエネルギーを消耗した後は、枯れていくしかない。あまりに発芽から開花までの歳月が長いので、100年花と呼ばれてきた。日本では観葉植物として愛好されているのが楽しい。
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