MATRIX7

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2009.06.06
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カテゴリ: 現代社会
 インドは中国とともに高度成長を続けている。ムンバイに仕事や観光で出かけた日本人は多いだろうが、スラム街について語った人はほとんどいない。ムンバイの中心地にありながら、海外からは目の届かない街並が続いている。そこは、世界でもっとも貧しい地域でもある。このレポート(http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/magazine/0705/feature04/multimedia2/index.shtml)は現地の事情について詳しい人の取材だろう。日本のメディアでは取り上げられることのない「現代インド」の実相が見えてくる。
 一家族が8畳程度の家に住んでいるというのも、インドの住宅問題の深刻さを実感させる。10億人という人口を考えると、すべての国民に最適な住宅を与えることは不可能な話になる。レンガやセメントや木材などの建築材料が根本的に足らない。単に雨風をしのぐだけの家でさえも、ダラヴィではとてつもなく狭い。狭い住宅に住んでいる家族が幸せかどうかは別の問題としても、住宅問題の解決に政府が乗り出さないと、100年経っても状況は変化しないだろう。
 近代都市の「リオネジャネイロ」や「上海」も、一歩裏通りに入ると同じような光景が並んでいる。政府が大量の資金を投入しても、スラム街の解消は難しいことを示している。スラム街から金を儲けて脱出する人々がいる一方で、農村部から新たな人々が押し寄せてくる。高層ビルの並ぶ近代都市は、それだけで農村部の人々を引き寄せる。そこに地獄が待っていることを知っていても、途上国では誰も気にしない。表通りの高層ビル群を見ているだけでは、ムンバイを理解することができない。
 人口の増加によって、ムンバイの環境汚染は深刻化している。あまりに狭い地域に数多くの人間がひしめき合うと、地上だけでなく、海洋も汚染される。川はどぶと化し、汚泥が沖の海底に蓄積する。あまりに急速な汚染拡大なので、政府の対策も間に合わない。10億人という人口は過大すぎて、人智で対応することは難しい。まあ、そんなことを気にしていたら、インドでは暮らしていけないことも確かなのだが。





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Last updated  2009.06.06 10:18:22
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