MATRIX7

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2009.06.09
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カテゴリ: 自然と生命
 日本では「クロマグロ絶滅の危機」は伏せられている。ほとんどマスコミにも登場しないから、極上のクロマグロが絶滅に追い込まれていることを知る人は少ない。しかし、日本近海の生息数が激減したことを漁民は熟知している。1頭300万円という価格は、希少種ゆえの贅沢だろう。そこで、商社は海外でクロマグロを発掘してきた。しかし、高値のために乱獲が続いて、世界中の資源が枯渇している。現在では、クロマグロは地中海などの限られた地域に生息しているにすぎない。 
 世界におけるマグロ類の漁獲量は闇に包まれている。日本ではマグロとサバは厳密に区別されるが、欧米では一括してツナと呼ばれる。それゆえに、マグロ類だけの漁獲量は不透明になってしまう。さらに、密漁の横行が闇市場を形成してきた。漁獲規制枠の数倍のマグロが乱獲されていて、その多くを日本の商社が輸入していた事実がある。日本近海の漁獲の減少を海外の密漁で補い、世界のマグロの25%を日本人が食べてきた。そこに、便宜地籍船などの問題が起きて、マグロ密漁を放置することが海の生態系を危険に追い込むことがはっきりしてきたため、密漁マグロの輸入規制が始まった。
 マグロ類は海の捕食者の最上位に君臨する。それゆえに、もともとライオンと同じように数が少ない。その多くは太平洋や大西洋やインド洋を回遊して育つ。どこかの海域で密漁が行われると、回遊するマグロ類全体の生息数が激減する。マグロを高値で買う国は限られているので、日本が輸入規制すればマグロは救われるという図式になっている。漁獲規制を逃れるために、マグロ船を保有していない国を便宜地籍にして乱獲するやり口も、クロマグロを絶滅に追い込んだ。
 和食だけでなく、フランス料理や中華料理でも、マグロを素材にする高級魚メニューが増え、マグロの需要を押し上げている。日本が輸入規制しても、それだけでクロマグロを救うことはできない。大型マグロの漁獲が難しくなり、幼魚を網の中で育成する畜養技術が進んでいる。そのために、今度は幼魚の乱獲が増えている。マグロは産卵させることが困難であり、孵化させることはもっと難しいので、絶滅から逃れられないものと考えられてきた。ようやく、マグロの産卵や孵化ができるようになったので、少し前途に光が灯り始めている。





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Last updated  2009.06.09 08:00:28
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